どうなる? 2023年のマンション市場
建築資材の高騰や人手不足と、マンション建設にかかる費用がまだまだ下がりそうにないなか、東京23区では駅近の高層マンションの建設はなおも続いている。
そうした状況でも、不動産経済研究所は2023 年のマンション発売戸数を、3万2000戸と予測。22年に比べて8.2%増を見込んでいる。
ただ、価格高騰に、消費者が追いついていけなくなってきている。
消費者の購入割合を示す発売初月の契約率をみると、2022年は前年から2.9ポイント減の70.4%となり、好不調の分かれ目である70%割れに迫った。
契約率が前年を上回ったのは神奈川県の72.4%だけ。しかし、0.6%ポイント増とわずかだった。基準となる70%を上回ったのは、その神奈川県と千葉県の73.1%(7.2ポイント減)だけ。
東京23区は69.2%(3.3%減)、東京都下が64.9%(9.9%減)、埼玉県は69.9%(0.7ポイント減)だった。これまで市場をけん引していた郊外需要に、一服感が広がっていることがうかがえる。消費者の購買意欲の低下とともに、発売戸数も減少に転じている。
さらには、これまで支えとなっていた住宅ローンの金利が上昇していくことも見込まれる。物件価格の上昇を受けて、購入に二の足を踏む消費者が出始めることも予測される。
半面、2023年は「ウィズコロナ」「アフターコロナ」に向けて、政府による水際対策が大幅に緩和されたことで、中国をはじめアジアの富裕層を対象にした投資用の高額マンションの動きが活発化しそうとの期待が膨らんでいる。
いずれにしても、消費者にとってはマンションが再び手の届かない価格帯になりつつあるようだ。