岸田首相、増税により財源を賄う考え強調 ルール見直しにも一貫して慎重な姿勢
もちろん、こうした声に対し、財政規律派から「増税の是非を述べる場ではない」などの反論も多く出ている。
なにより、岸田文雄首相自身は「将来世代への責任」として、増税により財源を賄う考えを再三強調している。
60年償還ルール見直しについても「(返済額を抑えた分を)政策的な経費増加に使うとなると、国債発行額は増加する」「市場の信認への影響に留意する必要がある」(1月25日の衆院代表質問への答弁)と、慎重な姿勢で一貫している。
萩生田氏は自身が所属する安倍派に多い増税反対論に配慮しつつ、岸田政権の幹部として、首相の意向をくみながら議論をいかにまとめていくか、難しい対応を求められることになる。
国会では野党が一致して「防衛増税反対」を訴え、春の統一地方選にむけ、自民党攻撃を強める。
特命委などの与党内の議論とて、選挙を意識した動きでもあり、政府、与野党入り乱れた論争がどう展開するか、目が離せない。(ジャーナリスト 白井俊郎)