日本にしかなかった「総合商社」...いったい何をしている会社なのか?

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総合商社はビジネスを創るのが仕事

   そもそも総合商社とはなにか? 何をしているのか理解されない理由として、展開する事業領域の広さを挙げている。さらに、日本にしかない業態であることから、海外投資家も目を向けにくい存在だ。

   猿島さんは、「本来の総合商社の機能は商取引だけではない」としている。核になるのはビジネスを創る仕事だ、と指摘する。

   総合商社は、多くの事業を、パートナーとなる企業と組んで、あるいは連携して展開する。伊藤忠商事の岡藤正広会長CEOが述べた「お取引をしている会社の業績、企業価値を上げることを通じて自分たちがビジネスをする」という言葉を紹介している。そして、総合商社はビジネス創造企業である、と定義する。

   そして、「これからのわが国を支えるのは総合商社」と結論づける。若者たちに向けては、「総合商社を目指してほしい」と檄を飛ばしている。総合商社からさまざまな事業会社に出向し、活躍している友人たちの顔が思い浮かんだ。(渡辺淳悦)

「総合商社とはなにか」
猿島弘士著
平凡社新書
1012円(税込)

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