黒田日銀、なぜ異次元緩和に固執?...「官製統制」強めての低金利維持に、足元見透かす市場

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これでは、法律で禁じられた実質的な「財政ファイナンス」...異次元緩和の修正は、時間の問題か

   ただ、市場では「効果は限定的だ」と冷めた見方が広がっている。

   1月会合を受け、債券市場では長期金利がいったん落ち着いた動きになってはいるが、金利上昇の圧力が弱まったわけではない。逆に、YCCの「副作用」が拡大している状況だ。

   日銀が10年債だけを無制限で買い続けているため、発行される10年債の多くを日銀が引き受ける形が続いている。

   これが債券市場の機能低下を招き、さらに法律で禁じられた実質的な「財政ファイナンス」(国債の日銀引き受け)と見られても仕方がない状況だ。

   黒田総裁の任期は4月。岸田文雄首相は黒田氏の勇退を明言しており、異次元緩和の修正は次期総裁に委ねられることになる。

   投機筋の一人は「誰が総裁になっても、現状のままYCCを続けることは難しい。異次元緩和の修正も時間の問題だ」とささやく。10年を経た異次元緩和が瀬戸際に立たされている。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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