黒田日銀、なぜ異次元緩和に固執?...「官製統制」強めての低金利維持に、足元見透かす市場

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10年債の利回りだけが突出して低い「ゆがみ」解消の政策修正のはずが...

   12月会合をめぐる事情はJ-CASTニュース 会社ウォッチ「日銀、異次元金融緩和の転換...舞台裏に政治との駆け引き? きっかけは11月の岸田首相と黒田総裁の会談か」(2023年1月6日付)で詳報した通りだが、12月会合の影響が日銀の想定以上だった背景には、異次元の金融緩和に限界が近づいていることがある。

   日銀の実際の金利操作を確認しておくと、現在は長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りを、日銀が設定した上限以下に抑える「YCC(イールドカーブコントロール)」という手法を採用している。

   しかし、市場で売買される国債は10年債だけではない。通常は国債の残存年数が多くなるほど利回りも高くなる関係になるが、日銀がYCCで10年債だけを集中して買い続けた結果、10年債の利回りだけが突出して低い事態に陥っている。

   この「ゆがみ」を修正することが、12月会合で政策修正をした狙いの一つだったが、市場は「事実上の利上げだ」と受け止めた。債券市場全体で上昇圧力が拡大し、ゆがみが解消されないまま、全体の金利水準が上昇。日銀は過去最大規模の国債買いを続けるしかなくなった。

   この状況に歯止めをかけるため、日銀は今回、共通担保オペの拡充など、長期金利を抑える「官製統制」を強めたわけだ。

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