「出版させてあげるよ!」...甘い言葉にご注意
私自身も先日、元出版社に勤務していた「出版プロデューサー」に会った。本人は、一流を標榜し、高確率の出版をうたっているのだが、「危険」だと思った。「出版プロデューサー」の仕事は、著者と出版社のマッチングにある。多くの出版社とコネクションをもつ人は強いが、有能な人は出版実績を提示する。また、自分の役割を明確に提示するものである。
編集者から出版プロデューサーになる人は多いと思うが、よくよく注意をしなければいけない。いま、出版希望者は大勢いるから、情報が乏しい人に「出版させてあげるよ!」なんて甘い言葉をかけて、お金を搾取する人もいるからだ。選択する側が賢くならないといけない。
前述のように、商業出版スクールやコンサルが乱立しているが、出版を保障していないことからトラブルが多い。国民生活センター(所管は消費者庁)では、自費出版などに関して、早くから注意を促がしている。そのため、正しい情報を入手した方がいいだろう。では、どのような情報が必要になるのか? 知りたければ、ぜひ本書を読んでいただきたい。
今回紹介した一冊は、出版業界をつまびらかに理解することができる。いまの時代は、出版しても売れる保証はないから、出版社の判断も早い。私がいずれセミナーで話したい内容。それは「出版業界をおおっぴらにした話」かもしれない。(尾藤克之)