目標達成に向けて...目標を書いたノートをいつも見る
「目標達成ノート術」の結論に、「なるほど」と思うことがあった。安田さんは、今回50冊のノート本を読み返して、多くの本に共通して書いてあるのが、以下のことだという。
・ミッション・ビジョン
・大切にしている価値観
・30年後、10年後、5年後、3年後どうなっていたいか
・年間計画、月間スケジュール、タスクリスト
・事業計画、KPI(重要業績評価指数)
・やりたいことリスト
・理想的な時間の使い方
目標を書いたノートを持ち歩き、いつも見ることに尽きるという。何度も見直したり、書き直したりすることで、潜在意識に刷り込む感じだ。
最後に、ノート術の結論として、誰でも成功する、普遍的なノート術というのは存在しない、と指摘している。その代わり、「その人に合ったノート術」というのは存在する。
安田さんは「シンプルに、箇条書きで大量に書く」ことを勧めている。また、考えるためのノート、勉強するためのノート、情報を整理するためのノートなど、目的によってノート術のノウハウは違うという。
「ノート術は守破離。まずはあなたに合いそうなノウハウをそのまま試して、身に付いてから応用して、最終的にはあなた自身のノート術を生み出して欲しいと思います」
ノート、手帳で思い出すのが、一時流行した「システム手帳」だ。安田さんもシステム手帳にハマった話に触れている。趣味としては楽しいところもあったが、複数のリフィル間での転記の問題があるなど、「実用性という意味では今ひとつでした」と振り返っている。
しかし、システム手帳によって手帳術、ノート術のブームが起きたような気もしないではない。巻末の参考文献を見て、評者もずいぶんとノート本を買っていたことに気がついた。(渡辺淳悦)
「仕事と勉強にすぐ役立つ『ノート術』大全」
安田修著
日本実業出版
1595円(税込)