「ああ、仕事にやりがいがある! 毎日会社に行くのが楽しくて仕方ない。本当にこの会社に入ってよかった~!」と、心の底から思えて、後輩や友人にもオススメしたい企業はどこか――。
就職・転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」を運営するオープンワーク(東京都渋谷区)が2023年1月24日、「働きがいのある企業ランキング2023」を発表した。
仕事にやりがいを見いだせるよう働きやすくしてくれる企業には、どんな魅力や風土があるのか。現役&元社員のクチコミから探ると――。
IT、コンサル、メーカー...上位10社中7社が外資系企業
OpenWorkは、社会人の会員ユーザーが自分の勤め先の企業や官庁など職場の情報を投稿する国内最大規模のクチコミサイト。会員数は約525万人(2022年12月末時点)という。
OpenWorkでは、企業の評価を「待遇面の満足度」「社員の士気」「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「20代成長環境」「人材の長期育成」「法令順守意識」「人事評価の適正感」の8つの指標を5段階で評価している。
今回の調査は、OpenWorkに投稿された社員・元社員による8つの評価のうち、独自のアルゴリズムによって、主に「働く環境に関する評価点」を集計し、「社員の働きがい」をランキングにしたものだ。
日系・外資系合わせて50社がランクインした結果、1位に米のコンサルタント企業ボストン・コンサルティング・グループ、2位に米大手IT企業グーグル、3位に日本の大手医薬品メーカー中外製薬、4位に米のクラウド・コンピューティング・サービスのセールスフォース・ジャパン、5位に日本の総合人材企業リクルートが入った【図表】。
そして、6位に日本のコンサルタント企業アビームコンサルティング、7位に日本の総合人材サービスのクイック、8位にアイルランドのコンサルタント企業アクセンチュア、9位に米大手IT企業の日本マイクロソフト、10位に米の世界最大級一般消費財メーカーのP&Gジャパンがランクインした【再び図表】。上位10社中、7社を外資系企業が占めた。
若手にも仕事を任せて、失敗にも寛容な中外製薬
それぞれ上位の会社にはどんな企業風土があり、社員の「働きがい」に結びついているのだろうか。クチコミから探ると――。
【1位:ボストン・コンサルティング・グループ】
「クライアントと議論を重ねつつ、不安の中で信頼関係が醸成され、最終的にクライアントを巻き込んで結果に繋がったときに得られる達成感が働きがいだと感じる。社会人としての基礎的なスキルのみならず、多くの関係者をリードして問題解決を進めていく力が得られ、今後のキャリア形成の基盤を養成できる環境だと感じる」(コンサルタント、男性)
「若手のうちから多岐にわたる業種の国内トップ企業の上層部と議論する機会に恵まれており、非常にやりがいを感じる。アサインされるケースによって成長環境の質は大きく変わるものの、全般的には満足。マネジャークラスの上司のみならず、MDP(マネジメント・デベロップメント・プログラム)クラスの上司と個別の時間を設定しフィードバックをいただける機会が多い。会社として若手(特に新卒)の養成に力を入れようとしていることを感じる」(コンサルタント、女性)
【2位:グーグル】
「社内外のさまざまなプロジェクトに関わることができ、継続的にチャレンジができ続ける環境なので、働きがいは非常にある。また、接しているクライアントとの関わるソリューションの幅も非常に広く、長く働いていても飽きなく、かつ、中長期的な施策も多いためやりがいがある」(営業、女性)
「色んな職種があり、自分のやりたいことに挑戦出来るため、常にやりがいを持って仕事に取り組めます。基本的に士気の高い優秀な人が多いため、周りから刺激を受けます。やる気があればどんどん成長する機会を与えてもらえます」(プロダクト、女性)
【3位:中外製薬】
「若手でも仕事を任せてもらえる風土があり、失敗にも寛容な企業文化だと感じる。むしろ、さまざまなことに挑戦して、高い成果を上げている人が正当に評価されていると思う。中途入社でも経営幹部としてすぐに昇格されるケースを見てきた」(コーポレート部門、男性)
「上司のサポートが手厚く、キャリアアップややりたい仕事について相談する機会が多く設けられている。若手のうちからチャレンジできる環境が整っている。リーダーなどを任せられることも多く、それをサポートしてくれる同僚が多い」(製薬研究、男性)
いろいろな場で功績を祝い合う風土があるセールスフォース
【4位:セールスフォース・ジャパン】
「20代から経営層とのコミュニケーション機会を当たり前に得られること、成果を上げるための研修やナレッジが体系化されていること、プロモーションのステップと基準が明確であることの3点から、成長する環境はこれ以上ないくらいに用意されている」(営業、男性)
「功績を讃えてくれる文化。何かアウトプットを出すたびに、マネジャーや関係者によってオープンな場で功績を讃えられ、そのほかの社内メンバーもお祝いのメッセージやポジティブな声がけをしてくれる文化がある。自身のアウトプットや活動を定期的に認められる機会があることはとても働きがいに繋がっている」(プランニング、男性)
【5位:リクルート】
「クライアントの課題に対する施策として、自社サービスを提案する姿勢が会社として徹底されており、入社時から徹底的に思考と行動を叩きこまれるため、上司・同僚とも同じ哲学で仕事をすることになります。仕事をがんばりたい人にとっては理想的な職場でした」(企画、男性)
「マクロな観点から顧客の採用に向き合うことができるため、スケール感もありつつ、的確な提案ができる。そのため、自身の提案が顧客にしっかり刺さるように仕立てることができる」(リクルーティングアドバイザー、男性)
以上のような「生の声」を見ていくと、「若手にどんどんチャンスを与える」「成功すると互いに褒め合う」といった、それぞれの企業に息づく前向きな「風土」や「精神」が社員たちに働きがいとやる気を生み出しているようだ。
なお、調査は、2021年7月1日~2022年12月31日に「OpenWork」に投稿された、現職または1年以内に退職した社員によるリポート10万79件を対象データにして集計した。(福田和郎)