金の価格はドル建て、円安で価格上昇
金高騰の背景には、外国為替市場の円安ドル高の傾向もある。
2022年の急激な円安は食料品やエネルギーなどの価格にも跳ね返り、値上がりした。金の価格は国際的にドル建てのため、円安が進んだ場合に円換算すると、金は値上がりしやすくなる。
一般的に、米ドルの価値が上昇すると、金の価格は下落傾向に転じる。ロシアによるウクライナ侵攻が発生した2022年は急激な円安ドル高に動いたので、金価格が下落する可能性がなかったわけではなかった。
しかし、米国の利上げが進んだことで、高まるインフレ懸念をなんとか抑え込んだ。米利上げの幅が縮小したこともあってか、円安にも一定程度の歯止めがかかった現在、再び金価格が上昇基調に乗ったとみる向きは少なくない。
こうした複合的な要因が、しばらくは金価格の高騰を支えているようだ。