常夜灯から生まれた鉛のバッテリーを長寿命にする特許技術
NINAの開発は、もともと常夜灯のバッテリーの長寿命化に取り組んでいたサンクリエイトが、鉛電池を長持ちさせる仕組みを生かした技術をクルマに応用しようと考えたことがきっかけだった。
伊藤千明社長は、
「大手メーカーのEVはリチウムイオン電池が主流ですが、それだと価格が高くなったり、取り扱いが難しかったりして、これではEVが『エコにも財布にもやさしい』とは必ずしも言えないと思っていました。
一方で鉛のバッテリーは、価格は安いのですが、寿命が短いのが難点でした。原因は、鉛蓄電池の電極部分に不純物が溜まって、電気が流れにくくなってしまうサルフェーション現象にあります。その除去装置を搭載することで、鉛のバッテリーの耐久性を高めることに成功したたわけです」
と説明する。
この特許技術により、通常の鉛蓄電池が約800回の充放電で半分に性能が低下するところを約2500回まで伸ばせるようになり、約10年間は蓄電池の交換が必要なくなった。
同社では、すでに耐久性の高い太陽光発電の常夜灯を施工しており、この技術を生かした車両の開発では、電気自動車普及協会理事で愛媛大学客員教授の佐藤員暢氏の協力を得た。
価格はフル装備で税別220万円(車両のみは、税別120万円)。伊藤社長は、
「『NINA』とは、New Innovation Next Automobileの略称。これはクルマの乗り方改革なんです。SDGsに配慮するとともに、高齢者の移動や災害時の給電に貢献したいですね」
と、胸を張る。(J-CAST 会社ウォッチ編集部)