HW ELECTRO...軽トラEV「エレモ」アピール ライバルは三菱自「ミニキャブ・ミーブ」か
BYDブースの横では、EVの商業車を展示する専業メーカーが注目を集めていた。「HW ELECTRO(エイチダブリューエレクトロ)」という新興企業だ。
2019年5月に設立した同社は、台湾生まれの蕭偉城(ショウ・ウェイチェン)氏が代表を務め、東京都江東区に本社を構える。
同社は北米のセントロ社という新興メーカーが開発・生産した商用EVを日本向けに仕様を変更し、輸入している。日本の軽自動車から中型車に相当するEVの商業車「ELEMO(エレモ)」シリーズとして展開し、日本国内でも出光興産など大手企業や自治体への納入実績があるという。
このうち、軽トラックに相当するエレモについて、同社は「ガソリンエンジンの軽トラに比べ約3割程度のエネルギー費用で済む」と優位性をアピールしていた。
ガソリン代がリッター当たり168円で、リッター当たり16キロ走る平均的な軽トラックの場合、1日120キロ走行すると1260円のガソリン代がかかるのに対し、軽トラEVのエレモは深夜電力で充電すれば359円で済むという。
この軽トラEVのエレモの車両価格は267万円台からと、ガソリンエンジンの軽トラに比べると高額だ。満充電当たりの航続距離は120キロとなっている。軽の商用EVとしては三菱自動車が昨年11月に復活させた「ミニキャブ・ミーブ」(航続距離は133キロ、価格は243万1000円から)があり、格好のライバルになりそうだ。
東京オートサロンで共にEV専業のBYDとエレモは、そのユニークなスタイリングだけでなく、日本メーカーにとって脅威となるかもしれないという点でも異彩を放っていた。(ジャーナリスト 岩城諒)