株価急上昇に浮かれるのは危険、先行きは決して楽観視できない
今回の結果をエコノミストはどう見ているのか。
まず、株高については、ヤフーニュースコメント欄で三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員の小林真一郎氏が、
「本日の株高は、日本銀行が金融政策の追加修正を見送ったことで、円安進行を受けた自動車など輸出関連株や、金利上昇が利益のマイナスに効きやすい不動産業などで買戻しが入ったことによるものです。また、金利上昇による景気下振れ懸念がいったん収まったことも買い材料とされました。一方、金利上昇が業績改善につながる銀行など金融株は売られています」
と解説。そのうえで、
「今日の株高は一時的な動きと考えられ、相場の流れが変わった訳でありません。また、今回の金融政策決定会合では政策変更は見送られましたが、現在の国債買い支えによる低金利政策の維持が困難になってきていることは明らかであり、今後も金融政策決定会合の都度、政策変更の有無が焦点となり、金融市場をかく乱することが予想されます。株価の大きな流れを決めるのは、やはり内外景気や企業業績です。その点からも不安材料が多く、株価の先行きは決して楽観視できる状況にはありません」
と、楽観論を戒めた。