地方公務員の「懲戒処分」が増加、行為別の最多は「一般服務違反等」...「分限処分」は6年連続増、理由のほとんどは「心身の故障」(鷲尾香一)

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退職金の支給...「懲戒処分」の免職ではない、「分限処分」の免職ではある

   このため、両者の最も重い処分である免職(職員としての身分を失わせる処分)においても、多くの場合、懲戒処分の免職では退職金が支給されないのに対して、分限処分では退職金が支給される。

   近年の免職者数を見ると、懲戒処分での免職はほぼ横ばいで推移しているが、分限処分の免職は2012年度の939人から2021年度には80人まで大きく減少している。(表3)

   地方公務員といえども、国家公務員同様に公僕に違いなく、税金で生計を立てており、公衆に奉仕するのが仕事だ。あまりにも多くの懲戒処分者と分限処分者が発生していることは、許されるものではない。地方自治が衰退しているといわれる現在、まず地方公務員の姿勢を正すことから始める必要がありそうだ。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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