地方公務員の「懲戒処分」が増加、行為別の最多は「一般服務違反等」...「分限処分」は6年連続増、理由のほとんどは「心身の故障」(鷲尾香一)

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事由別では「心身の故障の場合」3万1521人(99.0%)が最多

   一方、分限処分について。令和3年度中に分限処分を受けた職員数は3万1827人であり、前年度に比べて3020人(10.5%)増加している。

   都道府県等では1万2506人(対前年度比856人増)、市町村等では1万9321人(同2164人増)となっている。分限処分者数は2016年度から6年連続で増加を続けており、2021年度にはついに3万人台に増加した。(表2)

   地方公務員法第28条では、分限処分について、「職員が一定の事由により、その職責を十分に果たすことが期待しえない場合に、職員の意に反する不利益な身分上の変動をもたらす処分」としており、(1)免職(2)降任(3)休職(4)降給することができる。

   種類別にみると、免職80人(対前年度比168人減)、降任104人(同14人減)、休職3万1628人(同3195人増)、降給15人(同7人増)となっている。

   事由別では「心身の故障の場合」3万1521人(99.0%)が最も多い。次いで、「刑事事件に関し起訴された場合」101人(0.3%)、「条例に定める事由による場合」86人(0.3%)、「職に必要な適格性を欠く場合」60人(0.2%)、「勤務実績が良くない場合」41人(0.1%)、「職制等の改廃等により過員等を生じた場合」18人(0.1%)の順となっている。

   なお、懲戒処分は違反行為に対して行われるもので、制裁(懲らしめ)の意味合いが強い一方、分限処分は職責を果たせない場合に行われるものだ。公務の適切な運営、効率性を保つことを目的としている。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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