マツダのドライバー異常発見システム、日本初認可...国交大臣の型式指定取得 運転中、意識失うと、自動で減速・停止させる

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   マツダが2022年9月に発売したスポーツ用多目的車(SUV)「CX―60」の「ドライバー異常時対応システム(DEA=Driver Emergency Assist)」が最新の国連の規則や日本の保安基準を満たしているとして、日本で初めて国土交通大臣の認可を受けた。

  • DEAを搭載する「MAZDA CX-60」(プレスリリースより)
    DEAを搭載する「MAZDA CX-60」(プレスリリースより)
  • DEAを搭載する「MAZDA CX-60」(プレスリリースより)

クルマの停止後は、ドアのロック解錠や緊急通報...ドライバーを救護・救命へ

   マツダがCX―60に搭載したDEAは、ドライバーが急病などで運転が困難になった場合、クルマを自動的に減速・停止させ、事故の回避や被害の軽減を図るシステムだ。

   具体的には、時速約5キロ以上で走行時、モニタリングカメラがドライバーの顔の各部位の特徴点の変化を検出し、ドライバーの疲労や眠気を察知するほか、急病で意識を失うなどした場合は異常事態と判断する。

   ドライバーの疲労や眠気を検知した場合は、警告音などで休憩を促す。異常を察知した場合は、(1)ハザードランプを点滅させ、間もなく緊急停止する可能性があることを周囲や乗員に知らせる。(2)警告してもドライバーが運転に復帰できない場合、ハザードランプの点滅に加え、ブレーキランプの点滅とホーンを鳴らして周囲に異常を知らせながら、クルマを自動的に減速・停止させる。

   クルマを停止させた後は、ドアのロックを解錠するほか、自動的にネットで緊急通報し、ドライバーの救護・救命に当たる。

ドライバー異常時対応システムのガイドライン、国交省が世界に先がけて策定

   ドライバー異常時対応システムをめぐっては、国土交通省が2016年からガイドラインを定め、緊急時にクルマを走行車線内に停止させる方式と、路肩に退避させてから停止させる方式などを考案してきた。

   ドライバーが意識を失うなど、緊急時にクルマを自動停止させるガイドラインは、国交省が世界で初めて定めたものだ。これをもとに、国連の欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で2021年6月、国連の規則が改正された。

   これを受け、国交省は2022年1月、日本国内の道路運送車両法の保安基準を改正した。今回、CX―60は最新の国連の規則と日本の保安基準に適合するとして、国交大臣の型式指定を初めて取得した。

   型式指定とは、そのクルマが国の定める基準を満たしているとして、国が自動車メーカーに大量生産を認めるものだ。今回はCX―60の発売後、ドライバー異常時対応システムを追加で型式指定するかたちになった。

   マツダがCX―60に搭載したこの技術は2022年11月、「日本自動車殿堂カーテクノロジーオブザイヤー」(特定非営利活動法人・日本自動車殿堂主催)を受賞している。

   マツダは日本初の型式指定について「クルマが常にドライバーを見守り、重大事故の回避・事故被害の軽減を支援する。今後も高度運転支援技術を活用してドライバーを見守り、運転できる楽しさと自由な移動を支援し、お客さまの生活や生きがいを守っていきたい」と話している。(ジャーナリスト 岩城諒)

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