ドライバー異常時対応システムのガイドライン、国交省が世界に先がけて策定
ドライバー異常時対応システムをめぐっては、国土交通省が2016年からガイドラインを定め、緊急時にクルマを走行車線内に停止させる方式と、路肩に退避させてから停止させる方式などを考案してきた。
ドライバーが意識を失うなど、緊急時にクルマを自動停止させるガイドラインは、国交省が世界で初めて定めたものだ。これをもとに、国連の欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で2021年6月、国連の規則が改正された。
これを受け、国交省は2022年1月、日本国内の道路運送車両法の保安基準を改正した。今回、CX―60は最新の国連の規則と日本の保安基準に適合するとして、国交大臣の型式指定を初めて取得した。
型式指定とは、そのクルマが国の定める基準を満たしているとして、国が自動車メーカーに大量生産を認めるものだ。今回はCX―60の発売後、ドライバー異常時対応システムを追加で型式指定するかたちになった。
マツダがCX―60に搭載したこの技術は2022年11月、「日本自動車殿堂カーテクノロジーオブザイヤー」(特定非営利活動法人・日本自動車殿堂主催)を受賞している。
マツダは日本初の型式指定について「クルマが常にドライバーを見守り、重大事故の回避・事故被害の軽減を支援する。今後も高度運転支援技術を活用してドライバーを見守り、運転できる楽しさと自由な移動を支援し、お客さまの生活や生きがいを守っていきたい」と話している。(ジャーナリスト 岩城諒)