米インフレ鈍化で始まる...FRB対金融市場のバトル! エコノミストが指摘「軍配は市場に」「米景気減速、1ドル=120円の円高が日本を襲う」

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利上げは最終局面だが、引き続き米雇用と賃金動向が焦点

米ウォール街の街並み
米ウォール街の街並み

   野村アセットマネジメントのシニア・ストラテジスト石黒英之氏も、リポート「米CPIはFRBの更なる利上げペース減速を示唆」(1月13日付)のなかで、「今回の米CPIでは物価上昇圧力の鈍化が続いていることが示され、FRBにとって利上げペースをさらに落とす余地が生まれた」としている。

   また、前述したように、第一生命経済研究所の藤代宏一氏が懸念を示す「賃金上昇圧力の残存」については、ニューヨーク連邦銀行が公表しているビジネスリーダーを対象に調査した「半年後の賃金と雇用の予想」のグラフ【図表2】を取りあげている。そして、「引き続き米雇用や賃金動向が焦点」としてこう指摘した。

(図表2)NY連銀ビジネスリーダーサーベイ(野村アセットマネジメントの作成)
(図表2)NY連銀ビジネスリーダーサーベイ(野村アセットマネジメントの作成)
「米インフレ動向をみるうえで今後焦点となるのは、米サービス価格に影響を及ぼす米賃金の動向です。ニューヨーク連銀が公表しているビジネスリーダーサーベイでは、半年後の雇用が一時期と比べ大きく鈍化し、賃金についても上昇圧力が和らぐ結果となっており、賃金インフレを主因とした米サービス価格の上昇が今後一巡する可能性があります【図表2】。
先日発表された昨年12月の米雇用統計でも、平均時給の前年同月比が4.6%増と2021年8月以来の水準にまで伸びが縮小するなど、米インフレ圧力が一段と和らいでいく可能性を示唆しています。これらを踏まえると、米国の利上げは最終局面を迎えつつあるといえそうです」
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