米インフレ鈍化で始まる...FRB対金融市場のバトル! エコノミストが指摘「軍配は市場に」「米景気減速、1ドル=120円の円高が日本を襲う」

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中国経済が本格回復すると、米国はインフレに逆戻り

   日本のエコノミストたちはどう見ているのか。

   「3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げは終了するだろう」と予測するのは、第一生命経済研究所主任エコノミストの藤代宏一氏だ。

   藤代氏はリポート「利上げ終了の確度高まる」(1月13日付)のなかで、米CPIは減速基調が鮮明になってきており【図表1】、2月FOMCで利上げ幅を0.50%から0.25%に縮小したあと、3月FOMCでの追加利上げ(0.25%)をもって利上げが終了するだろう、としている。

(図表1)米国CPI(消費者物価指数)(第一生命経済研究所の作成)
(図表1)米国CPI(消費者物価指数)(第一生命経済研究所の作成)

   ただし、「労働市場が逼迫する下で、賃金上昇圧力は強く残存したままである」ことが懸念材料だと指摘する。

「賃金インフレが終息しない限り、コアサービス物価は高止まりが予想されることから、インフレの『しつこさ』が浮き彫りになる可能性はある。また過去数か月のインフレ率鈍化を主導してきたエネルギーについては、中国経済の本格回復に伴う再上昇に留意する必要がある。
原油のみならずコモディティ(商品先物)価格全般が現在の『低』水準から上昇すれば、CPIが再加速するのは自明。仮にそうなれば現在、金融市場参加者が想定している2023年の利下げシナリオ(2024年1月までに0.75%、0.25%刻み)は修正を迫られ、金利上昇圧力は増大する。賃金とコモディティ価格をインフレ再加速要因として認識しておきたい」

   つまり、中国経済が本格的に回復に向かえば、巨大市場で原油の需要が大きく伸びるため、下降傾向にあった原油価格が再び上昇することは必至だ。今後は米国の構造的な人出不足が解消するかどうかと、中国経済の行く末が重要なポイントになるというわけだ。

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