部下と戦略的に信頼関係を築くには?
続いて、4つ目以降のポイントを見ていこう。
4「信頼される」。今の時代は、部下と戦略的に信頼関係を構築する必要があるという。部下に信頼されることで、社内全体が力を合わせて成果を上げることができるようになる。そのためには、実績ではなく人格でマネジメントする。自分から挨拶する。決めたことはひっくり返さない。一定の基準を定めて褒める。自分自身に自信を持つ...などを挙げている。
5「人間力を磨く」。ピンチのときにこそ、上司の人間力が問われる。大切なのは、動じずに淡々と対応することだ。
部下がミスしたときこそ、信頼獲得のチャンス。原因を特定し、再発防止策を検討することで、組織力も向上する。上司を演じる上で感情のコントロールは必須なので、自分の心をリセットできる方法を2つ以上持っておくことを勧めている。
6「人間関係を構築する」。よい上司は、社内での調整力や人間関係を円滑にする「社内政治」に精通している。そのため上司は、上役との距離を縮め、関係性を築いておくことが必要だ。
また、社外に人脈をつくるなど、一次情報を得られるルートを持つこと、SNSを活用して部下に話しのきっかけを提供することを勧めている。
7「情報を収集する」。アウトプットの習慣が、インプットを最大化する。また、上司は社長や経営陣と視座を合わせ、常に会社の情報をインストールしておかなければならない。映画やドラマなど、他分野から学ぶことも大切だという。
福山さんはサイバーエージェントにいた頃、年下の上司の元で働く経験があったそうだ。その上司がサポートしてくれたおかげで、月100件アポ、受注記録更新、グループ会社の取締役就任など、福山さんの才能は開花したと振り返る。
「部下を出世させることは、上司の仕事」だとも。従来のような「立場」で部下を指導するのではなく、上司としての役割を「演じる」ことで部下を伸ばすことが、「イマドキ上司」の基本だ、と力説している。「イマドキの上司は大変だ」と思う。(渡辺淳悦)
「イマドキ部下を伸ばす7つの技術」
福山敦士著
あさ出版
1595円(税込)