年明け早々、2023年「食品値上げラッシュ第1波」襲来! 価格変えず内容量「1枚減」「1個減」に...「目に見える形」の物価高実感が特徴

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   年明け早々、2023年も食品の値上ラッシュが続きそうだ。

   帝国データバンクが2023年1月5日に発表した「特別企画:『食品主要105社』価格改定動向調査―2023年1月」によると、2023年1月の値上げ品目は580品目で、春先にかけて「値上げラッシュ第1波」が襲来する。

   2023年は、価格上昇もさることながら、内容量の「1個減」「1枚減」など「目に見える形」でもインフレを実感する年になるのが特徴だ。

  • 高すぎてスーパーの買い物にも困る(写真はイメージ)
    高すぎてスーパーの買い物にも困る(写真はイメージ)
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調味料、ドレッシング、菓子、ツナ缶...続々

   報道や食品各社のプレスリリースなどをまとめると、すでに発表した2023年1月に値上げされる主な食品は次の通りだ。

【小麦粉を使った商品など】
▼日清製粉ウェルナ=ミックス粉やパン粉製品24品目を約2%~6%、パスタ製品24品目を約4%~8%、パスタソース製品56品目を約3%~25%値上げ。

▼ニップン=ミックス粉29品目を約2%~6%、パスタソース製品など22品目を約2%~3%、ドレッシング製品など18品目を約5%~17%値上げ。

▼昭和産業=ホットケーキミックス、天ぷら粉、お好み焼き粉などプレミックス製品31品目を約2%~15%値上げ。

▼ピエトロ=ドレッシング製品9品目を約6%~7%値上げ。

【調味料など】
▼味の素=うま味調味料「味の素」など7品目、アミノ酸含有食品「アミノバイタル」7品目を約2%~16%値上げ。

【菓子類】
▼亀田製菓=ミニサイズの「塩せんべい」など米菓10品目を約5%~11%値上げ。「亀田の柿の種」や「ハッピーターン」など12品目については、内容量を約5%~13%程度減らす実質的な値上げ。

【缶詰類】
▼はごろもフーズ=「シーチキン」ブランドのツナ缶など65品目を約4.8%~25%値上げ。

【飲料】
▼UCC上島珈琲=大型ペットボトルのコーヒー9品目を約10%~15%値上げ。

   こういった案配だ。

春先にかけて、値上げラッシュ第1波が到来

   帝国データバンクの調査では、2022年末までに決定した2023年中の飲食料品の値上げ品目数は、4月までの予定を含め累計7390品目に上った【図表】。品目数は前年同時期(2022年1~4月、4672品目)に比べて約60%多い。

(図表)2023年の食品値上げ(2022年12月31日時点)(帝国データバンクの作成)
(図表)2023年の食品値上げ(2022年12月31日時点)(帝国データバンクの作成)

   今年の1回あたりの平均値上げ率は約18%に達し、2022年通年に比べても4%高く、前年同時期の平均値(約11%)からは約7%高い水準だ。2022年に比べて、大幅な価格引き上げを行う企業・食品が多く、値上げ率が大きく高止まりする原因となっている。

   このうち、2023年1月単月の値上げは580品目だった。前年同月(789品目)より209品目少ないが、2月には2022年以降では2番目に多い規模となる4283品目で値上げが控えるなど、春先にかけて値上げラッシュ第1波が到来する見通しだ【再び図表】。

   2023年4月までに値上げする食品(7390品目)を見ると、最も多い食品分野は加工食品(3897品目)で、全体の半数超を占める。かまぼこなど水産練り製品や冷凍食品を中心に2月に集中している。次いで、焼酎や輸入ワイン・ウイスキーなどを中心にした酒類・飲料(1446品目)、ドレッシングや醤油、つゆ・たれ製品を中心とした調味料(1417品目)と続く。

料理に欠かせない調味料が上がる(写真はイメージ)
料理に欠かせない調味料が上がる(写真はイメージ)

   このうち、1月単月の値上げでは加工食品が最も多い。ツナ缶などの水産缶詰製品のほか、お好み焼き粉といった加工粉製品、パスタソースなどが中心で、1月の値上げのうち約半数を占めた。米菓やパンなどで、内容量や枚数を減らしながら価格を据え置く「実質値上げ」の動きがみられた。

価格を変えずに内容量を減らす「実質値上げ」が増加

家計の出費も抑えないと(写真はイメージ)
家計の出費も抑えないと(写真はイメージ)

   帝国データバンクではこうコメントしている。

「2023年の値上げでは、価格を変えずに内容量を減らす『実質値上げ』のケースが増えている。今後も、既に複数回値上げを行った菓子などの嗜好品、日常的に購入する食品などでは、気軽に購入できる店頭価格を維持するため実質値上げが選ばれる可能性がある。
ただ、短期間かつ複数回に及ぶ実質値上げは1枚・1個単位での内容量減をより実感しやすくなる側面もあり、消費者目線では前年以上に『目に見える形』でのインフレを実感する年になりそうだ。
足元では、原油価格をはじめとしたエネルギーや食料品コスト、円・米ドル為替相場といったコスト上昇速度は落ち着き、緩やかな減速の兆しもある一方、依然として高止まりの状態が続いている。消費者に近い製品・業種ほど価格転嫁も十分に進んでおらおらず、前年分のコスト増を持ち越す形で、2023年もしばらくは値上げの動きが続くとみられる」

(福田和郎)

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