価格を変えずに内容量を減らす「実質値上げ」が増加
帝国データバンクではこうコメントしている。
「2023年の値上げでは、価格を変えずに内容量を減らす『実質値上げ』のケースが増えている。今後も、既に複数回値上げを行った菓子などの嗜好品、日常的に購入する食品などでは、気軽に購入できる店頭価格を維持するため実質値上げが選ばれる可能性がある。
ただ、短期間かつ複数回に及ぶ実質値上げは1枚・1個単位での内容量減をより実感しやすくなる側面もあり、消費者目線では前年以上に『目に見える形』でのインフレを実感する年になりそうだ。
足元では、原油価格をはじめとしたエネルギーや食料品コスト、円・米ドル為替相場といったコスト上昇速度は落ち着き、緩やかな減速の兆しもある一方、依然として高止まりの状態が続いている。消費者に近い製品・業種ほど価格転嫁も十分に進んでおらおらず、前年分のコスト増を持ち越す形で、2023年もしばらくは値上げの動きが続くとみられる」
(福田和郎)