統一地方選を控え、危機感を抱く与党 自民・世耕参院幹事長、甘利発言を否定
これに危機感を抱くのが与党だ。
「ちょっと拙速だ」。自民党の世耕弘成参院幹事長は1月7日のラジオ番組で、消費税増税に触れた甘利発言をばっさりと否定した。
与党にとって消費税増税は、常に選挙の逆風となってきた「鬼門」だ。今春に統一地方選を控える中で、甘利氏がぶち上げた消費税増税論に与党内からは「最悪のタイミングだ」と反発の声があがる。
今回の甘利発言をめぐっては、官邸と十分なすり合わせがないまま飛び出したとの指摘もあり、岸田首相周辺も当面は静観する構えだ。
ただ、どんなに議論を先送りしようと、少子化対策を大幅に強化するには安定財源の確保が必要になる。消費税増税をめぐる政府・与党内の攻防は今後、ますます激しくなりそうだ。(ジャーナリスト 白井俊郎)