2022年のIPO、100社に届かず...目立つ「赤字上場」、「プラットフォーム事業」企業

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赤字でも上場できるグロース市場、最多の70社

   IPO企業を市場別にみると、市場再編以前の東証マザーズを含めた「東証グロース」市場への上場が8割近くの70社にのぼった。「東証スタンダード」市場が14社、「東証プライム」市場は3社だった。【下の円グラフ参照】

   東証グロース市場は、高い成長可能性が期待される銘柄が集まっている。市場全体に占める割合は、前年の74.4%から2.5ポイント増えて76.9%となった。

   また、同市場は赤字上場が認められていることもあり、経常損益が赤字の企業は23社にのぼった。東証グロース市場における割合は32.9%で、前年の21.5%(20社)を、11.4ポイント上回っている。背景としては、「赤字企業ではあるものの、内容を見極めたうえで成長性を重視する傾向が、投資家のあいだで強まっている」(帝国データバンク)からだ。

2022年の市場別にみたIPO企業の割合(帝国データバンクの作成)
2022年の市場別にみたIPO企業の割合(帝国データバンクの作成)

   IPO企業を業界別でみると、「サービス」が前年比9.5ポイント増の70.3%と突出して高かった。一方、「製造」や「卸売」 は減少した。

   さらに細かくみると、「ソフト受託開発」や「パッケージソフト」、「情報提供サービス」を含む「情報サービス」が22社(全体の24.2%を占める)でトップとなった。

   デジタルやITテクノロジーを活用する、いわゆる「テック企業」が新規上場をけん引。たとえば、「プラットフォーム事業」を手がける企業は18社と2割近くにのぼり、全体に占める割合は前年から上昇した。

   情報サービスには、DX(デジタルトランスフォーメーション)計画の策定からクラウドによる効果創出まで一貫したITサービスを提供している日本ビジネスシステムズ(東証スタンダード上場)や、ライブ配信コミュニケーションプラットフォームの企画、開発、運営を手がけるモイ(東証グロース上場)などが含まれる。

   次いで、デジタル技術を活用したコンタクトセンター・BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスなどを提供しているビーウィズ(東証プライム上場)など、「その他サービス」が19社で、全体の20.9%を占めた。

   また、フリーランスを活用したコンサルティング・システム開発支援などを手がけるINTLOOP(東証グロース上場)といった経営コンサルタント業などを含む「専門サービス」は9社(全体の9.9%)だった。

   企業のDXの推進を支援する企業が複数あるなど、目立った。

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