科学技術研究費、2年ぶりの増加 だが、米国、中国に研究費、研究者数とも水をあけられ...「技術立国」日本の危機感(鷲尾香一)

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産業別研究費、最多は「輸送用機械器具製造業」 売上高に対する研究費比率、最多は「医薬品製造業」

   また、2021年度の研究費の用途としては、開発研究費が11兆7517億円(研究費全体に占める割合64.1%)、応用研究費が3兆7791億円(同20.6%)、基礎研究費が2兆8101億円(同15.3%)だった。

   「基礎研究」は、特別な応用、用途を直接に考慮することなく、仮説や理論を形成するため、または現象や観察可能な事実に関して新しい知識を得るために行われる理論的または実験的研究。

   「応用研究」は、特定の目標を定めて実用化の可能性を確かめる研究や、既に実用化されている方法に関して新たな応用方法を探索する研究。

   「開発研究」は、基礎研究、応用研究および実際の経験から得た知識を活用し、付加的な知識を創出して、新しい製品、サービス、システム、装置、材料、工程等の創出または既存のこれらのものの改良を狙いとする研究。

   詳しく見ていくと、企業の研究費全体(16兆1198億円)の85.8%(12兆2108億円)を製造業が占めている。

   産業別研究費では、「輸送用機械器具製造業」が3兆6852億円(企業の研究費全体に占める割合25.9%)と最も多い。次いで、「医薬品製造業」の1兆3986億円(同9.8%)、「電子部品・デバイス・電子回路製造業」の1兆964億円(同7.7%)が上位3業種となっている。

   売上高に対する研究費の比率では、「医薬品製造業」が10.06%と最も高い。次いで、「業務用機械器具製造業」の7.58%、「情報通信機械器具製造業」の7.03%が上位3業種。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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