マクロ経済では、値上げは「高齢者から現役世代への所得移転」?
こうした状況をエコノミストはどう見ているのだろうか。
ヤフーニュースのコメント欄では、第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏が、
「財とサービスに分けてみると、財価格が前年比プラス7.9%と諸外国並みに上昇する一方で、賃金動向に連動性が高いサービス価格は同プラス0.9%しか上昇しておらず、引き続きコストプッシュの様相が強い状況に変わりありません。
ただ、すでに国際商品市況は下がっていますし、円安もピークアウトしていることに加えて、2月分以降で政府の物価高対策により電気ガス料金が2割程度下がりますから、そろそろインフレ率もピークアウトでしょう」
という見通しを示した。
同欄では、同じく第一生命経済研究所主任エコノミストの藤代宏一氏がユニークな見方を示した。
「見方を変えると、値上げは『高齢者から現役世代への所得移転』です。企業が値上げを我慢するために賃金を抑えると、現役世代(企業)の所得は増えません。一方で、値上げをすると高齢者の負担は重くなる一方で、現役世代(企業)の所得が(過度に)削られることは回避されます。『値上げ=生活苦』という議論ではありません」
と、値上げの動きをマクロ経済の面から見ることを勧めた。