春闘の結果次第では、家計の実質負担はさらに増える
「今年の家計負担は、昨年からさらに1人当たり1.9万円の増加になる可能性がある」という厳しい見通しを示すのは、前述のヤフーニュースコメント欄でも紹介した第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏だ。
永濱氏はリポート「どうなる? 2023年の物価と家計負担!」(2023年1月4日付)のなかで、公益社団法人・日本経済研究センターが公表している最新2022年12月分のESPフォーキャスト調査(民間エコノミスト約40人が分析する経済動向)などをもとに、こう述べている【図表2】。
「ESPフォーキャスト通りに今後も消費者物価が推移すると仮定すれば、2022年のインフレ率はプラス2.3%に対して2023年のインフレ率はプラス1.9%に鈍化することになる。
そして、家計の1人あたり負担増加額は、2022年に前年からプラス2.3万円(4人家族で9.1万円)増加することに加え、2023年はプラス1.9万円(4人家族で7.9万円)増加すると試算される。
インフレ率が鈍化するとはいえ、今年の春闘の結果次第では、家計の実質負担はさらに増えることには注意が必要であろう」
(福田和郎)