飛躍を期待!...縁起の良い「兎年生まれ」企業、全国に11万6000社もあった!

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   2023年、ビジネスシーンでも「兎年」の幕が開けた。

   「うさぎ」は古くから縁起が良いとされる。そんな縁起のいい「うさぎ」を社名に取り入れる企業は約250社、また、60周年の「還暦」を迎える企業は約1万6000社にのぼることがわかった。

   企業信用調査の帝国データバンクが「卯年」生まれ、「うさぎ」にちなんだ名を冠する企業の分析調査を、2023年1月5日に発表した。

  • 縁起の良い「兎年生まれ」企業、どれくらいある?(写真はイメージ)
    縁起の良い「兎年生まれ」企業、どれくらいある?(写真はイメージ)
  • 縁起の良い「兎年生まれ」企業、どれくらいある?(写真はイメージ)

高島屋、東京海上日動火災、関西電力も「兎年」生まれ

   「うさぎ」は、元気に飛び跳ねる姿から飛躍のイメージや繁殖能力の高さから子孫の繁栄、ピンと立った耳から情報のキャッチ、さらに、月影がうさぎに見える風習から「月=ツキ」を呼ぶなど、なにかと縁起が良い。

   ちなみに、1300年以上も前に編纂された日本最古の書物「古事記」の一節「因幡の白兎」も有名で、縁結びの動物としても扱われている。

   帝国データバンクのデータベースによると、そんな「卯年」に創業した企業は全国11万6434社が確認された。最も多いいのは48周年(1975年創業)で、2万2359社。「還暦」にあたる60周年(1963年創業)を迎える企業は1万6062社にのぼった。

   また、業歴100年を超える老舗企業は1834社で、全体の1.6%を占める。そのうち、120周年の「大還暦」は415社が判明した【下の図参照】。

「卯年」生まれの企業は約12万社にのぼる(帝国データバンクの作成)
「卯年」生まれの企業は約12万社にのぼる(帝国データバンクの作成)

   飛躍が期待される卯年生まれの企業には、どのような特徴があるのだろうか――。

   調査によると、売上高別にみると56.0%が「1億円未満」で、次いで「1~10億円未満」が35.8%と多かった。売り上げが「10億円以上」の企業は8.2%だった。

   わずか0.1%だった「1000億円以上」の140社の内訳をみると、関西電力(72周年)などエネルギー系企業が数多く並ぶほか、東京海上日動火災保険(144周年)などの保険業も多く、髙島屋(192周年)などの知名度の高い小売業の名もみられた。

「還暦」企業は1万6000社超 アスクル、大鵬薬品、ダスキンの名が...

   社長の年齢別でみると、創業12周年、24周年の企業では50代の社長が、それぞれ3割台で最も高いことがわかる。周年を重ね、36周年では7割の企業の社長が60歳を超え、48周年では70歳以上が半数に迫るなど、社長の高齢化が進んでいることが分かった【下の表参照】。

   ただ、60周年、72周年となると小幅ながらも「若返り」がみられる。「還暦」企業では、32.6%が社歴と同じ60代で最多。帝国データバンクは、「後継者への事業承継が行われるタイミングであることが背景にあると考えられる」としている。

社長の年齢は周年を追うごとに高齢化している。創業48周年は半数近くの社長が70歳以上(帝国データバンクの作成)
社長の年齢は周年を追うごとに高齢化している。創業48周年は半数近くの社長が70歳以上(帝国データバンクの作成)

   今年「還暦」を迎える企業は、60周年という大きな節目を迎える。

   たとえば、「アスクル」(東京都江東区)や「大鵬薬品工業」(同千代田区)、「ダスキン」(大阪府吹田市)などがそれで、最多の1万6062社にのぼった。

   大還暦(120周年)は、エネルギー関連商社の「カメイ」(仙台市)や電気・空調・水道・消防施設工事の「ダイダン」(大阪市)、自動車ランプの「市光工業」(神奈川県伊勢原市)など、415社を数えた。

   なんと、さらなる長寿企業もある。

   180周年を迎えるのは、インテリアから呉服・美術工芸織物の「川島織物セルコン」(京都市)や、化学品専門商社の「岡島」(甲府市)など15社。紙専門卸商社の「中庄」(東京都中央区)や和菓子メーカーの「龜屋」(埼玉県川越市)など8社は創業240周年を迎えることになる。

   帝国データバンクによると、こうした周年を迎える「還暦」企業は、最長420年の5社を含めて1万6512社が確認された。

「うさぎ」にちなんだ社名の企業は243社

   調査によると、社名に「うさぎ」を冠する企業は、243社が確認された。

   漢字やひらがなのほか、「Rabbit」や子うさぎを表す英語の「Bunny」、フランス語の「Lapin」などさまざまあるなか、最も多いのは漢字表記の「兎・卯」が99社で、全体の40.7%にのぼった。

   なかでも代表的なのは、外食チェーンとして全国に400店舗以上を構える「なか卯」(東京都港区)。「卯」の文字が観音開きを連想させること、うさぎのように飛躍し、繁盛できるようにという縁起を担いだ由来がある。また、看板商品「うどんすき」を軸に関西圏に展開する「美々卯」(大阪市中央区)は創業から100年近くになる。

   次いで多いのが、「ラビット」など、外国語を取り入れている社名で82社。クルマの買取店「ラビット」を展開する「ラビット・カーネットワーク」(東京都千代田区)のほか、BunnyやLapinなどを冠する企業も確認された。

   ひらがなやカタカナ表記の「うさぎ・ウサギ」は62社を数え、東海・関東地方で薬局や介護関連事業などを手がけている「うさぎ薬局」(静岡県伊東市)などがある【下の円グラフ参照】。

社名に「うさぎ」を冠する企業の内訳(帝国データバンクの作成)
社名に「うさぎ」を冠する企業の内訳(帝国データバンクの作成)

   さらに、「うさぎ」のネーミングはお菓子やキャラクターなどのモチーフとして数多く使用されいる。たとえば、プロ野球・読売巨人軍のマスコットキャラクターの「ジャビット」は、よく知られるところ。

   また、東証プライムに上場する日本曹達(東京都千代田区)は、企業のロゴマークにうさぎを用いている。同社のホームページによると、創業間もない頃のエピソードにうさぎが登場することや「山を駆け上がることに長け、下ることを苦手とする」ことを理由としている。

   2023年は、十干(じっかん)と十二支で60通りある「六十干支」の中で「癸卯」にあたり、「癸」(みずのと)は十干で最後となることから、終わりとともに生命が誕生することを意味しているといわれる。

   帝国データバンクは、「新たな芽吹きとともに、うさぎのごとくジャンプアップする企業が数多く表れることに期待したい」と、コメントしている。

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