30代、40代から「老後の計画を立てることの重要性が高まっている」
このように、定年を迎えた人の多くが、勤めていた会社でそのまま「フルタイム」で働くことを選んでいるものの、それが必ずしも満足度や幸福度につながっていない傾向がわかった。
それでは、30代、40代の現役世代は、この結果をどう受けとめればよいのだろうか。岩﨑氏は、こうアドバイスしてくれた。
「私たちの調査【下記の参考リンク参照】では、定年を迎えることは、幸福度を高めたり、こころの健康状態を良好にしたりする可能性が示唆されています。ですが、今の現役世代が実際に定年を迎える際には、今よりも多くの会社で定年年齢が伸びていたり、撤廃されていたりすることが予想されます。
調査によると、必ずしも定年が伸びたり、撤廃されたために働き続けたりすることが、現在の環境では幸福度を高めるわけではない可能性が示唆されている。このことを考えると、どのように定年年齢に関わらず何歳まで働きたいのか、ということも意識しつつ、個人個人で老後準備の計画を立てることの重要性が高まっているといえるかもしれません」
◆参考リンク
基礎研レポート「定年後の働き方と幸福度の関係」2022年10月27日付 ニッセイ基礎研究所 保険研究部准主任研究員 岩﨑敬子)
基礎研レポート「定年後の働き方とこころの健康の関係」(2022年11月4日付 ニッセイ基礎研究所 保険研究部准主任研究員 岩﨑 敬子)