あなたの家はいくらで売れる?...適切な不動産の売り方、プロが指南【尾藤克之のオススメ】

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   適切な不動産の売り方を知りたいという人が、いま非常に増えています。ネット情報に振り回されて、大損してしまった方も珍しくありません。不動産(戸建て・マンション・土地)を損しないで売りたい...。そんな方々の悩みに答えるのが、今回紹介する書籍です。

   不動産屋を頼る場面は多くありますが、任せきりはよくありません。不動産業界は、素人にはわからない「カラクリ」や「インチキ」も多いのです。また、よくある「大手だと安心」も通じないかもしれません。大手に任せたのに、揉めたという話もありますから。

「絶対に後悔しない家の売り方」(齋藤智明著)秀和システム

街の魅力度ランキングと、不動産価格の関係とは?

   都道府県、駅の魅力度ランキングが出ると、ついつい自分の住むところが何位なのか、見てしまうものです。東京都港区、目黒区など、上位常連の都内人気エリアの物件が高いのもうなずけます。

「私の町はランキングが落ちたので、不動産価格も下がるのですか?と聞かれることがあります。ですが正直なところ、魅力度ランキングはあまり気にしなくていいでしょう。多くのお客様の不動産探しにたずさわりましたが、物件購入を決める街の魅力は、ランキングの順位とは別物だからです」(齋藤さん)
「魅力は、他者の評価で決められるものではなく、個人の生活スタイルによる場合が多いようです。恵比寿は交通の便もよく、多くの魅力的なスポットが点在する不動の人気エリアです。しかし、誰もが憧れて住みたいかというとそうではありません。住むなら自然が近いほうがいいとか庶民的で小さな街がいいと言う人はたくさんいます」(同)

   つまり、斎藤さんは、自分の家がある街にはどんな魅力があるのか、それを知っているのは、実際に住んでいる自分自身だと言うのです。ちなみに筆者である私も、同じ街に40年住んでいますが、不動産屋にはわからない魅力を詳細に説明することができるでしょう。

「なぜ自分は、このエリアに住みはじめたのか、住んでみて感じている便利さ、環境のよさ、自身の生活スタイルとマッチするところなど、自分の街の魅力を不動産屋に伝えることで、営業マンが物件のよさに気づき、価値を上げてくれるのです」(齋藤さん)

もし「春日部市」に住んでいたら?...こうアピールする

   たとえば、あなたが『クレヨンしんちゃん』で有名な、埼玉県春日部市に住んでいるとしましょう。自宅は駅から10分くらいの2階建てですが、春日部市にはJRが通っていません。もちろん、市場の不動産価値を見れば、都内よりも安い価格が出てくるでしょう。ただし、次のようなポイントをアピールできれば、また違った価値が生まれる、と齋藤さんは言います。

「喧騒から離れたエリアで、静かに暮らすことができます。駅の近くには大型ショッピングモールもありますから、買い物に便利ですよ。東武伊勢崎線(スカイツリーライン)、東武野田線(アーバンパークライン)が交差するターミナル駅です。急行も止まりますし、都内へのアクセスも容易なので、十分に通勤圏内です」(齋藤さん)
「しんちゃんをキャラクターに『日本一子育てしやすいまち』をかかげ、市をあげて子育て世帯への支援に力を入れています。はじめて子どもが生まれて、何もわからず不安なときには本当に助けてもらって、春日部で子育てできてよかったと感じる人が多いです。その街に住んでいる人にしかわからない情報は、不動産屋に伝えていきましょう」(同)

   物件を選ぶ際、どこが問題で、何を抑えておくべきか。こうしたわかりにくい業界の構造について、本書ではわかりやすく解説します。ネット情報に振り回されず、いい営業マンを見極め、揉めるポイントなども、あらかじめ把握しておきましょう。大事な不動産を、損せずに売り切るために欠かせない1冊になるはずです。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
姉妹サイト