日銀の金融政策引き締めは続くのか?
12月の日銀金融政策決定会合は、大きなサプライズとなりました。イールドカーブコントロール(長短金利操作)のバンド幅をプラスマイナス0.25%からプラスマイナス0.5%へと拡大したのです。
事実上の金融引き締め策ということもあって、日本株は急落。為替は円高方向へ走りました。
これがこのまま継続するとなると、日本株には大きな打撃となります。
最も相場で早い指標のオーバーナイト・インデックス・スワップから見た日銀の金融政策見通しでは、すでに年内4回ほどの利上げを織り込んでおり、12月には0.372%程度の金利水準を予想しています。にわかに信じられない市場参加者の織り込み具合ですが、ほぼあり得ないと思っていたサプライズがあっただけに、可能性は考えておかねばなりません。
この政策決定には、政府および財務省の意見が大きく反映されていた、という報道があります。思えば、会見時の黒田東彦総裁の表情や話し方を見ても、どこか納得がいかないような雰囲気が否めませんでした。
しかし驚きだったことは、日銀政策委員のなかで、誰一人として反対していなかったことです。サプライズ政策変更のため、票がバラつくのは当然のはずです。しかし、そうでないのであれば、以前から12月に照準を定めていたのか、政府からの強い要請があった可能性があります。
その政府も、正常化の岸田政権と、アベノミクスを続けたいであろう安倍派、そして金利上昇を望まない財務省と分かれており、どこに着地するのか見えづらいといえます。