インフレは収まり、景気後退は回避できるのか?【2023年のマーケット展望 前編】(児山将)

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世界的景気減速の可能性高まる 米国経済の展望、住宅市場&自動車需要に注目すると...

   物価を抑えるために、急激に金融引き締めを行ってきた影響として現れているのが、景気減速(リセッション)です。英国中央銀行は、2022年前半からすでに2023年の景気減速を予想しています。また、米FRBによる2023年の経済見通しも、9月に1.2%だったものが、12月には0.5%に低下させました。

   たとえば、米大手企業のナイキなどのeコマースの売り上げを見ると、好調なところも多いものの、物流大手企業の北米市場の減少幅は拡大しており、全体的には2023年前半も需要の減速が続く可能性がありそうです。

   ここからは、米景気を下支えとなり、GDPの多くを占める住宅市場を見ていきましょう。

   米住宅指標で最大の中古住宅販売件数は409万件となっており、新型コロナが猛威を振るった2020年の最悪期と面合わせしています。

   また、住宅着工、許可件数は前月から低下し続けており、全米の戸建て新築住宅販売のセンチメント(景況感)を示す住宅市場指数は12月で12カ月連続の低下。2020年4月以来の水準に悪化しています。

   少しだけ明るい兆しとしては、先行性があるとされる米新築住宅販売は8月に底を打っています。足元の住宅ローン金利は、徐々に低下していることから、春ごろには米景気は上向いていくかもしれません。

   それと、住宅に次いで大きな個人消費の自動車需要を見てみると、テスラが値引きしても売れないなど、新車の需要の落ち込みが鮮明です。大手企業の9-11月の販売台数は、前年比で20%以上低下しており、こちらも目先の状況としては厳しそうです。

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