著者の立場に立って読むことが大事
次に紹介したいのは、『ユダヤ人大富豪の教え』をはじめとする、多くのベストセラーを執筆している作家・本田健さんです。私がオススメしたいのが「一瞬で人生を変える お金の秘密 happy money」(フォレスト出版)です。全世界40か国以上で翻訳されていますが、興味深いのは、最初に英語で書き下ろされて米国で発売された点です。
私たちが社会生活を営む上でお金は不可欠な存在です。若くしてお金を手にしてもこの先、何か取り返しのつかないことが起こらないとは限りません。有名人が手にしたすべてのものを失って、多額の借金を抱えたまま亡くなるニュースを目にすることがあります。これは、「お金のルール」が絶えず変わっていることを知らないからです。
お金のルールとはなんでしょうか。バブル経済を考えてみましょう。「バブル崩壊」は、ある瞬間に発生した現象ではありません。誰もが、バブル崩壊と気がつかず、数年間をかけて生じてきた社会現象です。1人10万円が相場のすし屋、座って30万円のクラブ、ある日を境にして「お金のルール」が変わりました。
これは、仮想通貨などにもあてはまります。10年前、中央銀行を介さない仮想通貨の台頭や資本の形成などは誰も予想していませんでした。いまは、お金の概念そのものが変化しているので、既存の知識が豊富な人ほど、理解に苦しみます。全く新しいパラダイムシフトが発生しているのです。ある日を境にして、「お金のルール」が変わることは、いつの時代でもあり得ることなのです。
私は書店によく行きますが、最近気付いたことがあります。同じような自己啓発の本が多すぎるのではないか、と。どんなにたくさん自己啓発の本を読んで、本の通りに実践しても、必ずしも変われるとは限りません。大切なのは、著者の立場に立って読むことです。
まず、著者の狙いを読者はきちんと受け取る。そのために、著者に寄り添い感じながら読む。すると、自分なりの解釈が生まれてくるはずです。それをもとに実践することによって、自分自身を高める成果につながるのではないかと思います。今年も、あなたの心を豊かにする一冊に出会えることをお祈りしています。(尾藤克之)