ジワジワ増える「不良債権」...正念場迎える地銀、企業の「ゼロゼロ融資」返済の行方は?

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企業に足かせ「ゼロゼロ融資」の返済

   企業倒産の増加の背景にある「ゼロゼロ融資」は、政府系金融機関で2020年3月、民間金融機関で20年5月にスタートしたものだ。

   「ゼロゼロ融資」は、コロナ禍で売り上げが減った中小企業を対象に、金融機関が実質、無利子・無担保でお金を貸し出す制度。受け付けはすでに昨年9月末で終了。今年4月には最長3年猶予されていた利子補給が終了することで、今後は元本返済の最大5年間の据え置き期間を待たずに返済が始まる企業が増えるとされる。

   中小企業庁によると、融資実績は約243万件、42兆円超。「命綱」となっていたゼロゼロ融資だが、資金繰り支援の「副作用」として過剰債務に陥り、業績回復の遅れで返済原資の確保が難しい企業は多い。

   しかも、目下のところ、これに円安や資源高、物価高、人手不足による人件費の上昇などで、資金負担に耐えきれず「力尽きる」企業が出てくる。

   つまり、ゼロゼロ融資は一時しのぎでしかない。企業倒産がシワリと増えてくるなか、ゼロゼロ融資の返済が始まることで、「不良債権」を抱える融資先がますます増えてくることは予測できた。

   通常、銀行は企業の返済能力を見極めて、融資する。しかし、ゼロゼロ融資は「売り上げが下がった」という理由で借金できる。事実上、赤字補てんのための資金だ。

   さらに、事業再生のための債権カットは、経営責任を明確にする必要がある。しかし、コロナ禍で、かつ中小企業の経営者に経営責任を追及するのは難しい実情もある。

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