日銀、異次元金融緩和の転換...舞台裏に政治との駆け引き? きっかけは11月の岸田首相と黒田総裁の会談か

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日銀の政策の中身に、首相が口をはさむ異例...日銀は先手を打って政策変更?

   こうしたイレギュラーな事態を招いた背景に、政治との駆け引きを指摘する声が少なくない。

   大きな転機になったと官邸筋が指摘するのが、11月10日に首相官邸で行われた岸田文雄首相と黒田総裁の会談だ。官邸を去り際、黒田総裁は記者団に「政府と密接に連携しながら、機動的に政策運営を行っていくことで意見が一致した」と語った。その「機動的政策運営」が、1か月半後の、今回の実質利上げということだ。

   この会談では、岸田首相が黒田総裁の発言に苦言を呈した、との情報が広まっている。「金利を引き上げることはない」と強調しすぎると、今後の政策選択の幅を狭めかねないとの懸念が官邸には強い。

   もとより、日銀は政府からの独立性を保障されており、直接、政策の中身に首相が口をはさむのは異例のことだ。

   特に、9月の日銀の決定会合後、金融引き締めに転じる時期について、黒田総裁が「2~3年先」と語ったことが「官邸を怒らせた」(大手紙経済部デスク)といわれる。黒田総裁の任期は23年4月まで。後任の手を縛るような発言は、円安にともなう物価高への対策に追われる官邸の怒りを買ったとしても、不思議ではない。

   「こうした空気を感じ取った黒田総裁が、政府の圧力の激化を懸念し、先手を打って政策変更に動くことで、本格的な利上げ圧力を鎮静化させようとした」(経済部デスク)との声もある。

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