「全国初」東京都、新築住宅への太陽光パネル義務...小池都知事「肝いり」施策への政治的波紋と問題点

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問題点は、設置対象にならない住宅との逆格差、パネルの廃棄

   政治的にどうあれ、義務化が決まった以上、問題は設置費用だ。住宅1棟で約100万円程度とされる。

   東京都はホームページで、電気代が月額1万円と想定した試算で、

「4kWの太陽光パネルを設置した場合、初期費用98万円が10年(現行の補助金を活用した場合6年)程度で回収可能です。また、30年間の支出と収入を比較すると、最大159万円のメリットを得られる計算」

とアピールする。初期費用が掛からないリース業者への補助なども準備している。

   ただ、日照などの条件により、期待通りの発電量が得られなければ、採算の計算は厳しくなる。

   また、逆に都がメリットをPRすればするほど、説明の通りに元を取れるとなれば、既存住宅や日照条件などが悪くて、設置対象にならない住宅との逆格差が生じることにもなりかねない。

   パネルの廃棄問題もある。

   有害物質を含むので廃棄物処理しなくてはならず、リサイクルのコストが高い。寿命は25~30年とされ、普及すれば、それだけ将来的に大量処分が必要になる。

   都はこれに備え、効率的な再利用を検討する協議会を関係業界と設けたが、一般家庭にパネル設置を義務化するのだから、将来、無理なく廃棄できる仕組み作りも欠かせない。

   地球的課題である温暖化防止に向け、首都東京の意欲的取り組みが全国を牽引する期待は大きいが、詰めなければならない問題も少なくないようだ。(ジャーナリスト 白井俊郎)

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