都議会では抵抗感が強く...知事提出議会案に反対した自民は、統一地方選、都知事選への思惑も?
国の「もたつき」を尻目に、華々しく太陽光パネル義務化を打ち出したのが小池百合子都知事だ。21年9月の都議会で、唐突に、義務化検討を打ち上げた。知事に再選された前年の都知事選でも公約に義務化は見当たらない。
もちろん、東京都も30年温室効果ガス排出を00年比半減(カーボンハーフ)、50年実質ゼロという国と歩調を合わせた目標を掲げており、そのための戦略が求められている。
特に、人口増に伴い家庭部門の排出量が増え続けており、これを抑制する必要は高まっている。
幸い、都内の既存の建物のうち太陽光パネル設置済みは4%程度にとどまり、屋根の活用の余地は大きいと判断した。
ただ、この問題は、政治的に波紋を広げている。
もともと義務化には、都議会でも抵抗感が強かった。条例案について、小池知事が設立した都民ファーストの会は当初から賛成。
公明党も補助金の増額などを受け、実質的に義務化が緩められたと判断して、最終的に賛成に回ったものの、自民党は「説明不足」を理由に反対に回った。
自民は知事与党ではないが、知事提出議会案に反対したのは2021年7月の都議会議員選挙以降で初めて、という異例の対応だった。
ただ、自民の動きの背景には、23年春の統一地方選や1年半後の24年秋の都知事選への思惑もありそうだ。自民は20年夏の都知事選は、独自候補の擁立を断念。21年夏の都議選では大勝予想に反して、都民ファーストと接戦になった。
今回の太陽光パネル義務化に絡む条例案反対が、小池知事との対決のサインなのか、都政関係者は注目している。