自社サイトでオリジナル商品を販売する「D2C」で成長
クラシコムは2006年、「不動産を扱うIT事業」を行う会社として東京都港区に設立されましたが、翌年には早くも事業を閉鎖。東京都国立市に移転し、ヴィンテージの北欧食器等を扱うECサイト「北欧、暮らしの道具店」を開設しました。
現在では北欧関係のものが占める割合は小さくなったものの、「暮らしを自分らしく、美しいものにすること」「日常のささやかな幸せを大事にすること」といった北欧カルチャーに根ざした事業を行っています。
クラシコムは「ライフカルチャープラットフォーム」の単一セグメントですが、「D2C」と「ブランドソリューション」の2つのドメインで事業を展開しています。
D2Cとは「Direct to Consumer」の略で、ユーザーと直接接点を持ち、ECモールやECプラットフォームを介さず、自社サイトを通じて商品を直接提供するビジネスをおこなっています。取り扱い商品はアパレル、キッチン、インテリア雑貨が主力です。
ブランドソリューションは、クライアントのブランドや商品を「北欧、暮らしの道具店」サイト上で読み物の一つとして掲載する「BRAND NOTE」などを通じた販促支援、すなわち広告事業で、2022年7月末現在で160を超えるブランドを支援しています。
2022年7月期の売上高構成比は、D2Cドメインが48億6006万円(前期比13.9%増)で全体の94%を占めており、ブランドソリューションドメインは3億0307万円(同14.1%増)です。
ドメインごとの営業利益は明らかにされていませんが、D2Cドメインにおける定価消化率は97.7%(2022年7月期実績)で、「ポイント原資」の負担がなく、ほぼすべての注文において送料を受領しているとのこと。自社企画のオリジナル商品が売上高の約半数を占め、高い利益率となるビジネスモデルを確立しています。