「もう一度同じ会社に入りたい」希望する人28%...この結果、経営者はどう読む?

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   会社経営者は、この数字にどう思うだろう――。

   「学生のときの会社選びで重視したこと」と「実際に会社に勤めてみて重要だと思うこと」などの意識調査を実施したところ、「もう一度、今と同じ会社を希望する人」は「28%」にとどまった。

   リユース事業のQ.E.D.パートナーズ(神奈川県川崎市)が、社員として働く20代~40代の200人を対象に聞いた。2022年12月27日の発表

   「もし、過去に戻れるとしたら、もう一度今の会社に入社を希望しますか?」の問いには、「希望しない」と答えた人が72%にのぼっている。

  • 会社選びの意識とは?(写真はイメージ)
    会社選びの意識とは?(写真はイメージ)
  • 会社選びの意識とは?(写真はイメージ)

もう一度入りたい会社「給料は安いが、福利厚生がしっかりしている」

   まずは、調査に寄せられた回答者の「生」の声を聞いてみよう。「もう一度、今と同じ会社を希望する」と答えた人は、こんな意見を寄せた。

「自分のペースで仕事が進められ、比較的給料も高いので」
「好きな仕事内容で、人間関係も良好なため」
「3社目ですが、これまでの会社で最も残業が少なく、最も仕事が自分に合っていると思うから」
「職場環境が良いのと、福利厚生にも満足しているから」
「給料は安いですが、福利厚生制度がしっかりしているため。また、人間関係が比較的良好なため」
「時差出勤や有給などワークライフバランスがよい会社だから」
「なんだかんだで、今の会社で仕事することに愛着がある」
「福利厚生が充実しており、しっかり働いてしっかり遊ぶメリハリのある企業だからです」
「親切な上司が仕事のノウハウをいくつも教えてくれ成長できたので、もう一度希望したいです」
「とても仕事内容が充実しているので」
「企業の方針がしっかりしており、将来性に期待できたから」
「さまざまな分野に取り組んでおり、いろいろなことにチャレンジできると思ったから」

   人間関係が良好なことやワークライフバランスがよいこと、また福利厚生がよいことを挙げる人が多いようだ。

「サービス残業など、ブラックな会社だから」希望しない

   多くの回答者が、「もう一度、今の会社を希望するか?」の問いに「いいえ」と答えた。その人たちの意見はこうだ。

「どうせ戻れるならば、まったく違う業種で働いてみたいと思うから」
「パワハラが服を着て歩いているような上司がいてつらかったので」
「転職して今の会社に入社しました。時間があればもっとキャリアアップできる職場を探せたかなと思っているからです」
「給料が安く、転勤が多かったから」
「同じ職種の中では、かなり給料が安いと知ったので、できればもう少し生活が楽になる程度の会社で働きたいと思う」
「人間関係がよくないうえに給料や待遇が悪いからです」
「業務内容、権限とキャリアアップ、給与、待遇との関係がアンバランスで『やりがい』の名目で安い給与でこき使われているから」
「ノルマが厳しい会社なので、ふつうの事務仕事がしたい」 「社内研修が充実しておらず、自力でスキルアップするしかない会社なので」
「サービス残業など、ブラックな会社だから」
「労務環境があまりよくないので、もっと労務環境のよい、休みの多い会社で働きたいです」
「離職する方も多く、長く定着してる方が少ない。また自分の専門分野を広げたくても、なかなか丁寧に教えてくれる方もいないので、その点で大きく成長も見込めません」
「サラリーマンではなく、個人事業主や起業という道を選びたい」
「福利厚生、家族手当がないこと。何十年後この会社が残っているか、不安なところがあるからです」
「若手のうちは給与が極端に低いため」

   給料や待遇面、人間関係に不満があるのはもちろん、同じ会社に勤めるかどうかは、自身のキャリアアップにつながるかどうかの見極めにかかっていることがあるようだ。

学生の会社選びは「仕事の内容」を重視

   調査によると、「今の仕事の総合的な満足度を教えてください」との問いに、今の会社に「満足・とても満足」と答えた人は「41%」を占めた。

   「満足・とても満足」している人に、「過去に戻れるとしたら、もう一度今の会社に入社希望しますか?」という問いに、全体の28%が「はい」と答え、72%が「いいえ」と答えた。もし過去に戻れるなら、今の会社ではなく他社へ就職したいと考えている人が多いようだ。

   会社に「満足・とても満足」と答えた人のうち、「もう一度今の会社に入社希望する」と答えた人は65.9%。34.1%は「いいえ」と答えた。会社に「満足・とても満足」な人でも、3割は「入社を希望しない」と答えていた。

   「満足しているけど、入社を希望しない」人は、「もっとキャリアアップしたい」「他の仕事もしてみたい」「過去に戻れるなら違う仕事してみたい」など、会社への直接的な不満は少ないようだった。

   次に、「学生時代に会社選びで『1番目』に重要視していたと思うものはどれですか?」の問いに、最も多かったのが「仕事の内容」で51.5%だった。「給与・待遇」が24.0%、「企業の将来性」の12.5%、「会社の雰囲気・人間関係」の12.0%と続いた。【下の円グラフ参照】

学生時代に会社選びで「1番目」に重要視していたと思うものはどれですか?(Q.E.D.パートナーズが作成)
学生時代に会社選びで「1番目」に重要視していたと思うものはどれですか?(Q.E.D.パートナーズが作成)

実際に働いてみて「給与・待遇」より重要なことは?

   では、社会人になって「実際に働いてみて『重要だと思うこと』は何か?」聞いてみると、最も多かったのは「会社の雰囲気・人間関係」の46.0%だった。次いで、「給与・待遇」で27.0%、「仕事の内容」が17.0%、「企業の将来性」の10.5%と続いた。

   学生時代に会社選びで重要だと考えていたことと、実際に社会人になって重要だと思うことに、微妙に変化が生じていることがわかる。【下の円グラフを参照】

社会人になって、実際に働いてみて「重要だと思うこと」は何か?(Q.E.D.パートナーズが作成)
社会人になって、実際に働いてみて「重要だと思うこと」は何か?(Q.E.D.パートナーズが作成)

   ちなみに、転職の可能性について聞いたところ、「転職を考えている」と答えた人は31.5%だった。「転職するかも」と答えた人は46.5%。合わせて78.0%を占める結果だ。多くの人が転職の可能性がゼロではないと考えている。その一方で、企業で働く20代~40代のうち、「転職しない」と答えた人は、22%だけだった。【下の円グラフ参照】

「転職するかも...」が最多の46.5%(Q.E.D.パートナーズが作成)
「転職するかも...」が最多の46.5%(Q.E.D.パートナーズが作成)

   なお、調査は、200人(内訳は、20代が22.0%、30代44.5%、40代33.5%。男性49.0%、女性51.0%)を対象に、2022年12月24~25日に実施した。有効回答者数は200人。

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