【2023年世界経済予想】先進国経済軒並みマイナス成長か! 景気底割れ8つのリスク...「中国」「米国」「サウジアラビア」「トルコ」、そして「日銀利上げ」も

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   2022年の世界経済は脱コロナを原動力に景気回復が期待されたが、ウクライナ戦争が勃発、エネルギー価格が高騰するなどインフレが加速した1年となった。

   2023年はその反動から世界経済の減速が進むと懸念されている。どの程度深刻なのか。エコノミストの分析を読み解くと――。

  • 世界経済はどうなる?(写真はイメージ)
    世界経済はどうなる?(写真はイメージ)
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「景気減速、下降サイクルは既に後半戦と前向きに捉えよう」

   2023年に確実に来る世界経済の減速。投資家にとってチャンスかもしれないと楽観的に見ることを勧めるのが、J.P.モルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト前川将吾氏だ。

   前川将吾氏はリポート「逆業績相場の背後にある景気悪化はいつまで続く?」(12月26日付)のなかで、1998年から2022年までの世界経済の景気の波のグラフを示した【図表1】。そして、こう述べるのだ。

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(図表1)世界経済、景気の3年サイクル(J.P.モルガン・アセット・マネジメントの作成)
「足元では、来年の米国及び世界的な景気後退や、それに伴う『逆業績相場』を恐れ、株式投資に前向きになれない投資家が多くいます。ただし、過去の経験則や現在の景気サイクルの立ち位置を考えれば、『今すぐ』ではなくとも、例えば『来年後半頃』からは景気サイクルの反転が期待できる可能性があります」

   こう説明したうえで、【図表1】の青線グラフに注目した。グローバル製造業PMI(購買担当者景気指数、3か月移動平均値)でみた世界景気のサイクルだ。

「現在は下降しています。しかし、サイクルの上昇も下降も当然いつかは終わります。【図表1】の通り、過去は平均すると約13か月(1年強)上昇し、約24か月(2年)下降していたことがわかります(計3年)。
2021年半ばから始まった今回の下降サイクルは、2022年年初の時点では下降開始からたった6か月しか経っておらず、まだまだ序盤戦(=年内は下降が続く可能性が高い)という立ち位置でした。しかし、12月末にはもう18か月も経過したことになり、平均の24か月まであと半年というところまでくるため、下降サイクルは既に後半戦と捉えることが可能でしょう。
仮に2023末まで下降し続けた場合は30か月に及ぶことになりますが、【図表1】で30か月を超えたのは世界金融危機を伴う深刻な景気後退を経験した下降サイクル(34か月)に限られます」
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景気減速の足音に株価低迷するニューヨーク証券取引所

   2008年9月に米国で発生したリーマン・ショック後に、世界規模で拡大した金融危機は約34か月続いた。しかし、前川氏は「2023年に米国の景気後退が来てもマイルドである」と考えているため、「景気の下降サイクルも金融危機時ほど長引かないとみています」と指摘するのだった

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