久々にゆっくり自分の時間が持てる年末年始...どう過ごす?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE19(前編)】(前川孝雄)

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本を「自分仕様の教科書」に変える

   効果的な読書のポイントは、「読み方」にあります。正確には、「使い方」と言ってもいいでしょう。

   図書館を利用した読書もよいのですが、余暇の娯楽用ならともかく、自分のキャリア磨きのための本は購入を強くお奨めします。なぜなら、本は読むだけではなくどんどん書き込み、自分仕様の教科書に変えてしまうべきだからです。

   以前、ベストセラー『東大合格生のノートはかならず美しい』(文芸春秋)の著者である太田あやさんにお話をうかがった際、ある東大生のノートを見た時の感想を、次のように述べていました。

   「すべての知識がちゃんと有機的につながっていて、ページの中で物語がきちんと完結している」と。そして、ある東大生いわく、「ノートは、近い将来見直す自分のために書いているんです。だからこそ、未来の自分に気を遣って書かなければ、ノートって意味がない」とのこと。私の読書法の提案も、同じ趣旨です。

   本を何冊読んでも、読んだそばから中身を忘れては意味がありません。

   そこで、本の著者と対話をするつもりで、疑問点はそのつど本に書き込みましょう。共感し、腑に落ちた記述には線を引き、重要なページには折り目を付けるなど、本を徹底して使い倒しましょう。単に読み流すより、学びの質がグンと上がるはずです。

   また、読み終わったら、要約や重要ポイントと感想を、メモアプリやブログなどに記録するとよいでしょう。

   インプット(読書)には、必ずアウトプット(要点整理、感想記録)を組み合わせるのが学びの鉄則。さらに、仲間同士で読んだ本についてプレゼンし合う場を定期的に設け、習慣化するのも学ぶモチベーション維持にもなるためお奨めです。

   年末年始は読書を通じて、新年の抱負、さらには中期視野で自分の人生を考えてみませんか。

   さて、読書で学習と内省を行った後、新年初頭にかけてもう一つ、有効な過ごし方を提案しましょう。これについては、<久々にゆっくり自分の時間が持てる年末年始...どう過ごす?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE19(後編)】(前川孝雄)>で解説していきます。

※「上司力」マネジメントの考え方と実践手法についてより詳しく知りたい方は、拙著『本物の上司力~「役割」に徹すればマネジメントはうまくいく』(大和出版、2020年10月発行)をご参照ください。
※「上司力」は株式会社FeelWorksの登録商標です。


【プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお)
株式会社FeelWorks代表取締役
青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授

人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業FeelWorksを創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人 企業研究会 研究協力委員、一般社団法人 ウーマンエンパワー協会 理事なども兼職。連載や講演活動も多数。
著書は『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『コロナ氷河期』(扶桑社)、『50歳からの幸せな独立戦略』(PHP研究所)、『本物の上司力~「役割」に徹すればマネジメントはうまくいく』(大和出版、2020年10月)等30冊以上。近刊は『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks、2021年9月)および『50歳からの人生が変わる 痛快! 「学び」戦略』(PHP研究所、2021年11月)。

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