サプライチェーンの再構築が課題に&医療業界、建設業界は「働き方改革」加速
第2部では、5つのキートレンドについて解説している。
まず、ロシアによるウクライナ侵攻がグローバリゼーションを止めたとしても、世界共通の目標であるSDGsの達成や、欧州が牽引する脱炭素社会への移行、ESG投資の流れは変わらない、としている。
2つ目にウクライナ危機後のサプライチェーンリスクに言及。経済安保の観点でサプライチェーンは再編されるという。ロシアや中国に依存しないサプライチェーンを構築しようとする際のキーワードが「持続可能性」である。
3つ目がDXの進展と新しい働き方である。新型コロナウイルス感染症の拡大が非対面・非接触業務への変革がテレワーク導入を後押しした。
医療業界における働き方改革と、DXに触れていることも注目だ。
国内の医師20万人(病院勤務医)のうち、4割にあたる約8万人の医師は年間残業時間が960時間を上回っており、これは一般事業会社での過労死認定レベル(月80時間超目安)に相当するという。
これを解消しようというのが、24年4月から始まるのが働き方改革関連法の「医師の働き方改革」だ。医療DXの推進がカギになる。自分たちの業務を棚卸しし、次にアナログな間接業務のデジタル化を進めることを提案したいる。
同様に時間外労働の上限規制の猶予を受けていた建設業界でも、24年4月以降は本格的な規制対応が求められるため、23年からDXを取り入れた働き方改革が求められることになりそうだ。
施行の前段階から3次元モデルを構築することで、多様な関係者との情報連携を可視化し、業務の効率化を図る取り組みが進みそうだ。