金融政策正常化の準備を進める日銀
本書は3部構成。第1部が総論、第2部が「2023年のキートレンドを読む」、第3部が「2023年を理解するためのキーワード」となっている。
第1部の書き出し「ようやく終わりそうなデフレとの20年戦争」に、明るい未来への期待が感じられる。
「デフレとの戦いは終わりが見えない長期戦の様相を呈していたが、2%の物価安定目標が現実のものとなり、日銀が金融政策を正常化する道が開けてきた。デフレ戦争が終結すれば、競争力と成長力を高める真のデフレ脱却のための戦いが始まる」
まさかの2%物価安定目標達成と冷ややかに眺めながらも、デフレ戦争終結のチャンスを、日銀がみすみす逃すとも思えない、と見ている。
「日銀は、焦らず、しかし遅れを取ることのないように、金融政策正常化の準備を進めているはずだ」