市場参加者が反応する「経済指標」に変化あった1年...2022年株式市場を振り返る【後編】(児山将)

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NISAの拡大で沸いた日本市場に、水を差した日銀の政策変更

   年後半の相場は「Sell in May(セル・イン・メイ=株は5月に売れ)」の相場格言通りに、9月末から10月に入ると、株式市場は強含みました。インフレ率も目立って落ち着き始めたことは、投資家と中銀政策決定者がほっとしたことでしょう。

   日本では、NISA枠の大幅拡大のニュースで相場に弾みがつきました。結局、毎年の株式相場アノマリー通りに10月から12月は強い動きが起こるかに見えた矢先、サプライズが起きました。

   12月、日銀による「イールドカーブコントロールのバンド幅を、従来のプラスマイナス0.25%から、プラスマイナス0.5%へと拡大する」という金融政策の変更が行われたのです。金利が上昇するという実質的な金融引き締めとなるため、日本株には打撃となり、日経平均株価は2日間で1000円ほど叩き落される結果となりました。

   これまでの黒田日銀総裁は、「今後2、3年は金融政策を変えるつもりはない」と発言していただけに、市場にとってはネガティブインパクトとなりました。さらに、来年4月に退任予定の黒田総裁が、これまで行ってきた緩和戦略の出口への道筋を付けたとして、今後も上値が重くなる要因となりそうです。

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