効果に疑問の見方も...「削減すべきが他にある」「現場への負担ばかり」「政府のパフォーマンスでは」
各国でさまざまな対策が進む中、日本で始まったのがレジ袋有料化などの施策である。もっとも、その効果については疑問視する見方も根強い。
たとえば、国内で排出されている廃プラスチックのうち、レジ袋はわずか2%程度とされており、「ペットボトルや工業製品など、他にもっと削減を目指すべきものがあるはずだ」といった批判だ。
東京都内の40代の女性は「レジ袋は以前、家で出るゴミを入れる袋として有効に使っていた。今はわざわざゴミ入れ用の袋を買っており、納得できない」と話す。「レジ袋よりプラスチック製のマイバッグを製造する方がエネルギーや資源をたくさん使う」という指摘もある。
実際、最近は何種類ものマイバッグを持っている人が多く、「レジ袋の辞退」が真にプラスチック削減につながっているかは微妙だ。
店舗側にも不満はある。
都内のある小売業関係者は「店頭ではレジ袋が必要かをお客様に聞かなくてはならず、手間がかかるし、いまだにお客様に怒られることもある。お年寄りが四苦八苦しながら商品をマイバッグに詰めているのも気の毒だ。なんだか現場に負担ばかり押しつけられている気がする」と話す。
レジ袋有料化などの取り組みはパフォーマンスに過ぎないのではないか、という評価は制度導入時から絶えない。
マイバッグが無意味ではないとしても、真にプラごみ削減につながる政府の総合的な取り組みこそが求められているといえそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)