跡見学園29年、和洋九段女子、大妻中野は26年も学費据え置き
値上げ額(幅)の高い中学校(生徒の非募集校を除く)は、実践学園(リベラルアーツ・サイエンスクラス)で、27万8400円(値上げ率28.9%)だった。
次いで、日本学園の11万3600円(同14.5%)、清明学園の10万5000円(同13.5%)、実践学園(リベラルアーツ・サイエンスクラス以外)の9万9600円(同10.3%)、サレジアン国際学園世田谷(現:目黒星美学園)の9万円(同9.6%)となった。
一方、学費を長期間据え置いている中学もある。
来年度も、初年度納付金を据え置いた学校は全体の76.4%に当たる139校だった。ここ10年以上、初年度納付金を据え置いている中学校は40校。20年据え置いている中学校は14校だった。
このうち最も長いのは跡見学園の29年連続。続いて、和洋九段女子と大妻中野が26年連続、。川村、瀧野川女子学園、武蔵の3校が25年連続。女子学院と八王子実践が24年連続。立正大学付属立正が23年連続。日本大学第一が22年連続。共立女子第二と共栄学園が21年連続。立教女学院と城北が20年連続となっている。
近年、中高一貫の教育システムや教育の内容、進学への面倒見がいいことなどを理由に、私立中学は年々人気が上がっており、東京都の私立中学を受験する子どもは増えている。子どもを私立中学に進学させるため、共働きなどで高い収入を得る世帯も少なくない。
そうしたなか、私立中学には教師を高給で雇うなどで優秀な人材を確保して教育の質を高め、他の中学と差別化したいとの思いがある。
こうした背景から、教育の質の向上をねらいに値上げしやすい環境が整いつつある、とみられる。コロナ禍による行動制限などが緩和されるなどで、私立中学の学費も再び増えていくかもしれない。