熊本県、半導体の「新工場」続々...ソニーが検討、魅力は「豊富な水」「安価な土地」「優秀な人材」

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   ソニーグループが半導体の新工場を建設する検討を始めた。2022年12月15日付の日本経済新聞(電子版)などがいっせいに伝えた。報道によると、熊本県内に数千億円を投じてスマートフォン向けの画像センサーの工場を建設する。

   すでに、ソニーは熊本県内で最先端のセンサーを製造していて、加えて世界的な半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)などと組んで工場建設を進めている。24年末までの生産開始を目指しているという。

   熊本県は、半導体工場の一大集積地になってきている。

  • ソニーグループ、熊本に半導体の新工場を検討(写真はイメージ)
    ソニーグループ、熊本に半導体の新工場を検討(写真はイメージ)
  • ソニーグループ、熊本に半導体の新工場を検討(写真はイメージ)

ソニー、「熊本」で半導体事業を強化

   ソニーグループが検討している半導体の新工場は、熊本県合志市が計画する新たな工業団地内が建設の候補地で、2025年度以降に稼働する方向。スマートフォン向けの画像センサーの製造を手がけるとされる。

   ソニーは、台湾積体電路製造(TSMC)が2021年10月に発表した、同社にとって日本初の半導体工場の建設にも参加する。この半導体工場は、すでにスマートフォンやカメラに搭載されるCMOSイメージセンサーを主とした半導体の設計や開発・製造を手がけているソニーセミコンダクタマニュファクチャリングと同じ熊本県菊陽町に建てられる。

   ソニーが検討している新工場は、TSMCからセンサーに使う半導体を供給してもらう計画で、同じ県内に工場を置くことでセンサーの一貫生産体制を構築する。

   11月10日には、自動運転や人工知能(AI)、スマートシティーといった大量のデータを瞬時に処理する分野に欠かせない次世代半導体の国産化、量産化の開発、製造に向けた新会社「Rapidus(ラピダス)」設立の発表があった。

   ここにソニーグループも、トヨタ自動車やNTT、デンソー、NEC、ソフトバンク、半導体大手のKIOXIA(旧東芝メモリ)、三菱UFJ銀行とともに出資することが明らかになった。

   12月13日には、来日中の米アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)がソニーセミコンダクタマニュファクチャリングの工場を訪れ、ソニーグループの吉田憲一郎会長兼社長と最先端の画像センサー製造現場や「iPhone14プロ」のカメラに搭載された技術のデモンストレーションなどを視察した。

   ソニーはiPhoneに搭載されているイメージセンサーの提供で、米アップルと長年、協力関係にある。ソニーにとっては、その関係を改めて確認、強化したかっこうだ。

   立て続けに半導体事業への投資を進めるソニー。世界的に画像センサーの需要が高まるなか、同社は半導体の国内生産を強化したい考えだ。

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