「投資したお金を取り戻す」被害回復をうたう団体も怪しい?
【事例3】マッチングアプリで知り合った中国人女性にFX取引を勧められ、210万円を投資した。利益の出金を求めたが返信が来ない
マッチングアプリで中国人女性と知り合った。アプリ内で会話をしていたが、仲良くなったので無料通話アプリを交換し、頻繁にやり取りを始めた。彼女はFXの取引で儲かっており、「叔父がプロの投資家で教えてもらっているので、ほとんど負け知らず」という。
言われるままに、スマホに外国のFX取引のアプリをインストールした。彼女からアドバイザーと呼ばれる人を紹介され、無料通話アプリでやり取りをした。FX口座を開設するために運転免許証の写真を送付し、投資金として国内の銀行の外国人名義の口座に10万円を振り込んだ。
毎晩、女性と連絡を取り、女性から「ここを押して」などと指示を受け売買をしていた。アプリ内では儲かったので、数日後さらに200万円を振り込んだ。しかし、さらに投資しようとすると、振り込みできなかった。儲け分の出金を依頼したが、既読になっているのに返信が来ない。(2021年8月・50歳代男性)
国民生活センターではこうアドバイスをしている。
(1)マッチングアプリなどで知り合った相手からの投資話には絶対に乗らないこと。運営会社や投資の運用実態が確認できないことが多く、相手の本人確認も難しいため、資金を取り戻すことは極めて困難になる。
(2)マッチングアプリでマッチング後に外部サイト・外部サービスでのやり取りに誘導され、投資の勧誘をされるケースが多い。マッチングアプリの利用規約では、そうした外部サイトなどへの誘導行為を禁じている場合があり、ルール違反になる。そうした行為を受けたらアプリ運営会社に報告する。
(3)トラブルに遭ったら、すぐに消費生活センターに相談しよう(消費者ホットライン「188(いやや!)番」)。また、投資資金を国内の預金口座に振り込んだ場合、「振り込め詐欺救済法」の対象になり、救済されるケースもあるため、振込先の金融機関にも問い合わせる。
(4)最後に、くれぐれも「投資したお金を取り戻す」などと被害回復をうたう団体には注意する。二次被害に繋がる恐れがあるからだ。
(福田和郎)