キャンディを「あげる」だけで、大人もモチベーションが高まる?【尾藤克之のオススメ】

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朝一番に優先すべき仕事は...メンバーの「いい気分」を作る!

   こんなケースも取り上げられています。架空の患者の症状や病歴を読み上げ、経験豊かな医者たちに診断してもらうというものです。

Aチームの医者には...事前に、なにもしない。
Bチームの医者には...事前に、医療関係の記事を読んでもらった。
Cチームの医者には...事前に、キャンディをあげた(血糖値に影響するので、食べてもらったわけではない)

<結果>
Cチームは、Aチーム、Bチームと比べ、2倍の速さで正確に診断した。(出典:ショーン・エイカーが紹介する3人の心理学者による実験)

   この実験が意味するものは――。よく、ちゃんと仕事をしてもらうために、チップや手土産が有効だと知られていますよね。でも、どれくらいのものを、渡せばいいのでしょうか。仕事の難しさや大変さによっても、相場が違うのでしょうか。

   でも、この実験が示すように、「別に、キャンディでもいいんだ」と知っておけば、少しは気がラクになるのではないでしょうか。いい大人がキャンディ1つでうれしくなって、仕事を素早く、正確に仕上げるのです。なんともハッピーな話です。

   ほんのちょっとしたことでも、「いい気分」は仕事全体に好ましい影響を与えます。きっと本人も気づかないうちに、柔軟なモノの見方をしてくれるようになるでしょう。ですから、私たちが朝一番に優先すべき仕事は、今日の予定を確認することでも、たまった書類にサインをすることでもなく、メンバーの「いい気分」を作ることなのです。

   どうすれば、自主的に進めてくれるか? どうすれば、引き受けてもらえるか? どうすれば、考えを改めてもらえるか? どうすれば、お金を出してもらえるか?......社会では、そんな答えのない問題ばかりに出くわします。

   そのような、ふとした場面で、本書が示す法則に当てはめて、自分を動かし周囲に働きかけてみてください。どんどん問題解決ができるようになるはずです。(尾藤克之)

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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