2022年11月20日に開幕し、サムライブルーが強豪ドイツ、スペインを破り、日本中を沸かせたFIFAワールドカップカタール大会。
日本代表の大活躍もさることながら、日本中を注目させたのはインターネットTVプラットフォーム「ABEMA」が全64試合の無料生中継を行ったことだった。いったいどれだけ多くの人が視聴したのだろうか。
モバイル専門の市場調査会社「MMD研究所」(東京都港区)が2022年12月23日に発表した「FIFAワールドカップカタールの視聴に関する調査」によると、「テレビ」で見た人が約半数なのに対し、「ABEMA」で視聴した人は約2割に達した。
20代男性にいたっては、「テレビ」約37%、「ABEMA」約32%と拮抗する結果となった。若い世代からは「テレビ、もういらないかもね」という声も聞こえてきそうだ。
20代男性では「テレビ」37%、「ABEMA」32%と接近状態
MMD研究所の調査は、全国の18歳~69歳の男女1万人が対象だ。
まずは、どのような方法でW杯カタール大会の試合やハイライト映像を視聴したのかを聞いた(複数回答)。その結果、「テレビ」(NHK、民放配信)が最も多く、約半数の49.1%。次いでABEMAが17.8%、スポーツ専門のビデオ・オン・デマンド・サービスのDAZN(ダゾーン)が3.6%と続いた【図表1】。
テレビとABEMAをそれぞれ性別年代別で見ると、テレビ配信は男性60代(69.4%)の割合が最も高く、次いで男性50代(60.5%)、男性40代(56.1%)と続く。しかし、ABEMAは、男性20代(31.6%)の割合が最も高く、次いで男性30代(30.4%)、男性40代(28.3%)という結果になった【図表2】。
男性に関しては、10代・50代の約2割、20代~40代の約3割がABEMAで視聴したことになる。特に、20代男性にいたっては、テレビ(36.9%)、ABEMA(31.6%)と接近する状況だ【再び図表2】。
ABEMAでW杯カタール大会を視聴した人は、どんなデバイスを使ったのか――。スマートフォン(56.8%)が最も多かった。次いで、「パソコン」(38.5%)、「テレビ(アプリやミラーリング機能、デバイスの接続など)」(35.2%)、「タブレット」(23.2%)と続く【図表3】。大画面で見たほうが迫力はあると思うのだが、スマホで映像を見ることに慣れてしまっているようだ。