2022年も残すところ10日あまりに迫ってきたが、2023年は「いい年」になるのだろうか――。
帝国データバンクが2022年12月19日に発表した「特別企画:2023年の景気見通しに対する企業の意識調査」によると、「景気悪化」を見込む企業が4社に1社に達することがわかった。
昨年同時期の調査より約13ポイントも増えており、年明け早々、厳しい1年が待っていそうだ。
インボイス導入による中小企業への打撃が心配
帝国データバンクの調査によると、2023年の景気見通しを聞いたところ、「回復」局面になると見込む企業は11.5%で、前回調査(2021年11月)の2022年の景気見通しから10.8ポイントも減少した。また、「踊り場」局面は39.1%と、前回(40.9%)より若干減少した。そして、「悪化」局面を見込む企業が、同12.7ポイント増の25.3%と4社に1社となった【図表1】。
2023年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料を聞くと(複数回答3つまで)、「原油・素材価格の上昇」(72.7%)が突出して高 かった。次いで、「円安」(43.5%)、「物価上昇」(33.3%)、「人手不足」(26.1%)などが上位に並んだ【図表2】。
今回、初めて7位に登場したのが、2023年10月から制度が開始される「インボイス制度」(12.3%)。懸念材料の1つと見込んでいる企業が少なくないことがわかる。たとえば、大阪府の個人教授所からは、こんな不安の声が聞かれた。
「新型コロナはある程度落ち着きをみせてきたが、その影響が全くなくなったわけでない。加えて、値上げラッシュによる消費の冷え込み、インボイス制度の導入による中小企業への打撃、年金の受給減など影響がある」